この記事では、不動産営業の立場から、住宅ローンの選び方について紹介していきます。
実際の営業活動では言えない事なども交えながら、初心者でもわかるように説明していきます。
不動産営業マンとの関わり方についても、コツを掴めると思いますよ。
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はじめに
住宅ローンは、「最も金利の低い銀行で借りれば良い話ではないか」と思う人もいるかもしれません。
ところが、住宅ローン商品には、借り手の属性(勤務先や年収等)によって選べないものもあります。
つまり、人によって選べる銀行が限られる場合も多いのです。
これが、住宅ローン選びを難しくしている原因です。
「自分が借りられそうな銀行の中から選ぶ」ということになるわけですが、その中でも色々と迷う部分はあるでしょう。
これには、「金利についてどう考えるか」という部分も非常に重要になります。
そこで、まずは金利について考えるためのお話をしておきますね。
参考記事では、更に詳しい部分も説明していますので、興味があれば読んでみてください。
参考記事
金利の考え方
金利とは、簡単に言えば「貸し手の利益」ですよね?
とても簡単な言い方をすれば、お金を借りる人が少ない時には、金利を低くして借り手を増やそうと考えるという事です。
景気が悪い時には、景気対策として日銀が金利を引き下げます。
現在(令和元年)においては、マイナス金利が発動している状況ですから、超低金利なわけです。
今後、景気が良くなっていけば、マイナス金利を解除していく予定です。
しかし、実際には、その出口はなかなか見えず、利上げをしたとしても僅かである可能性が高いでしょう。
これは、金利を上げてしまうと景気が悪くなってしまうことに繋がるからです。
企業が借りる事業資金や、住宅ローン等の金利が上がれば、景気は鈍化してしまう可能性が高まりますので、「上げたくても上げられない」というのが本音なのです。
このような時代背景を考慮すると、「フラット35よりも店頭金利で借り続けた方が得だった」というケースも出てくるかもしれません。
数十年後、景気が大きく改善すれば金利は上昇するでしょうが、その時には皆さんの収入も増えている可能性が高いです。
それに、住宅ローン金利は、借りた時の金利からの上昇幅の限度が決められていますので、支払額が際限なく増え続けるということにはなりません。
そう考えると、店頭金利商品とフラット35での比較をするのも一考ですよね。
しかし、支払額に大きな影響が出る部分なので、営業マンからは「店頭金利で借りた方がいいかもしれませんよ」等とは言えない事情があります。
ブログなので正直な意見で書いていますが、実際には責任問題になる言い方は避けるのが常識です。
このため、営業マンの本音は口にしないのが原則です。
「あなたを信じたのに」等ということになっては大変ですし、この類のことに責任を持てる営業マンはいません。
ですから、あくまでも個人の判断で決めてもらわなければならない部分なのです。
個人的には、今の金利状況と経済見通しの中では、「総支払額で判断して安い方で借りておき、繰り上げ返済で頑張る」という選択が良いと思います。
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フラット35を使うか
初めに考えて欲しいのは、フラット35を使うかどうかです。
銀行から借りる普通の住宅ローンで支払う総額と、フラット35で支払う総額を比較すれば良いのです。
同じ条件でなくても良いので、「銀行で借りる場合に選ぶであろう金利プランの総額」と、「フラット35で借りる場合」で比較すればOKです。
比較検討する際には、保証料や事務手数料等の総額で比較するようにしてください。
担当営業等に聞けば、おおよその金額を教えてくれます。
また、フラット35を利用するには、購入物件が一定基準を満たしていることを証明する書類(適合証明)が必要になります。
ですから、購入物件(又はこれから探す物件)がフラット35に適合した建物である必要があります。
保証料と事務手数料について
普通の住宅ローンを借りる際には、保証料というものが必要になります。
保証料を払うことで、保証会社が連帯保証人の代わりになってくれる仕組みです。
この保証会社に「連帯保証人になってください」という意味で支払う料金が、保証料です。
一方、フラット35で住宅ローンを組む場合には、この保証料が不要です。
保証会社に当たる役割を、住宅金融支援機構が担っていると考えれば良いと思います。
また、ノンバンク系の金融機関でも、保証料のいらない住宅ローンがあります。
ノンバンクの場合、保証料は無いけれど事務手数料が高いというケースが多いです。
結局はどちらで払うかの問題になってくるので、「支払総額」で比較することが大事なわけです。
参考記事
繰り上げ返済
繰り上げ返済には2種類あります。
月々の返済額は変えず、残りの返済期間を短くすることで利息の支払い額を抑える「期間短縮型」と、返済期間を変えずに、繰り上げ返済をした金額を毎月の返済額に充当する「返済額軽減型」があります。(月々の返済金額を少なくして利息支払額を抑える方法)
営業マンを上手く使う
不動産営業マンは、ローン電卓という特殊なアイテムを持っています。
これは、住宅ローンの月々の返済額を瞬時に計算できるもので、総支払額についても表示できます。
金利や借入期間も自由に設定できるので、これを使って色々なパターンを試算してもらいと良いです。
担当営業を上手く使って、知りたいことは全て調べてもらえば良いのです。
自分で勉強することも大切ですが、思い悩んでいるよりも、プロに聞いてしまった方が早いこともあります。
掘り下げていけば、色々と質問が出てくるはずですから、あらかじめ質問事項を投げかけておくと良いと思います。
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まとめ
住宅ローンの選択においては、自分が借りることが出来る金融機関の中で、最も支払総額の低いものから検討すると良いと思います。
保証料や事務手数料等も考慮しなければいけませんから、各行の金利云々よりも、総支払額で比較するのが手っ取り早い方法です。
そして、不動産営業マンを上手く活用して、より良い商品を選んでください。