不動産登記法だけを集中して学習するための過去問集を作成しました。
通勤・通学等で利用できるようにしてあります。
当サイトの無料テキストを確認しながら使うと、効率良く勉強できます。
-
-
不動産登記法の無料テキスト|宅建独学勉強用
宅建の本試験で、不動産登記法で1問正解するためのテキストを作成しました。 なるべく簡単な表現で、過去問に出題された部分を重視した内容になっています。 情報量の多い法令なので少し大変かもしれませんが、何 ...
不動産登記法の過去問と解説
2009年度から2020年度までの過去問をまとめてあります。
問題を解いている最中に正解や解説が目に入らないよう、設問と解説の間の行間を広めにとってあります。
目次を利用しながら、何回か反復練習することで合格レベルに到達できるはずです。
2009年度 問14
不動産の表示に関する登記についての次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 土地の地目について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から1月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
- 表題部所有者について住所の変更があったときは、当該表題部所有者は、その変更があった日から1月以内に、当該住所についての変更の登記を申請しなければならない。
- 表題登記がない建物(区分建物を除く。)の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
- 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
2009年度 問14の解説
1
記述の通りで正しいです。
2
表題部所有者について住所の変更について特別な規定はありません。
よって、本肢は誤りです。
区分所有法テキストで「表示登記」の部分を確認しておきましょう。
3
記述の通りで正しいです。
条文の一部抜粋
第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
4
記述の通りで正しいです。
正解:2
2010年度 問14
不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。
- 登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
- 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。
- 送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。
2010年度 問14の解説
1
登記官に対する交付請求には、電磁的記録による証明書を請求することはできません。
よって、本肢は誤りです。
以下、該当条文です。
第百十九条 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(以下「登記事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。
3 前二項の手数料の額は、物価の状況、登記事項証明書の交付に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める。
4 第一項及び第二項の手数料の納付は、収入印紙をもってしなければならない。ただし、法務省令で定める方法で登記事項証明書の交付を請求するときは、法務省令で定めるところにより、現金をもってすることができる。
5 第一項の交付の請求は、法務省令で定める場合を除き、請求に係る不動産の所在地を管轄する登記所以外の登記所の登記官に対してもすることができる。
2
正しい。
利害関係については証明する必要がなく、何人でも請求できます。
何人(なんぴと)とは、「誰でも」という意味です。
3
記述の通りで正しいです。
4
記述の通りで正しいです。
正解:1
2011年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記は、することができない。
- 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。
- 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。
- 仮登記の抹消は、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
2011年度 問14の解説
1
記述の通りで正しいです。
不動産登記法テキスト参照
2
記述の通りで正しいです。
第六十六条 権利の変更の登記又は更正の登記は、登記上の利害関係を有する第三者(権利の変更の登記又は更正の登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)の承諾がある場合及び当該第三者がない場合に限り、付記登記によってすることができる。
3
記述の通りで正しいです。
第九十九条 受益者又は委託者は、受託者に代わって信託の登記を申請することができる。
4
仮登記の抹消は、仮登記の登記名義人の承諾があれば、登記上の利害関係人が単独ですることもできます。
よって、誤りです。
正解:4
2012年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては、消滅しない。
- 承役地についてする地役権の設定の登記は、要役地に所有権の登記がない場合においても、することができる。
- 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
- 不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
2012年度 問14の解説
1
記述の通りで正しいです。
2
誤りです。
同法では、「要役地に所有権の登記がないときは、承役地に地役権の設定の登記をすることができない。」(第80条)と定められています。
3
記述の通りで正しいです。
第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
4
正しい。
第60条では、「権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。」と規定しています。
しかし、収用による移転登記については、第118条で例外的に単独での登記を認めています。
第百十八条 不動産の収用による所有権の移転の登記は、第六十条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる。
正解:2
2013年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
- 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者である全ての登記名義人が共同してしなければならない。
- 敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得ることなく、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができる。
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
2013年度 問14の解説
1
正しい。
第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
2
正しい。
第60条では、「権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。」と規定しています。
この規定の例外として、いくつかの規定が定められており、本肢もその一つです。
第六十五条共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。
3
誤り。
登記名義人の承諾を得なければなりません。
第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
二 所有権を有することが確定判決によって確認された者
三 収用によって所有権を取得した者
2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
4
正しい。
第百九条 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
正解:3
2014年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 表示に関する登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
- 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
- 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
- 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
2014年度 問14の解説
1
表示(表題)登記の申請の際には、現場写真等のような申請情報は必要になりますが、登記原因については提供をする必要がありません。
どんな時に表示登記の申請をするかは、限定されているからです。
よって、本肢は誤りです。
2
記述のとおりで正しいです。
3
記述のとおりで正しいです。
第九十八条信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
4
記述のとおりで正しいです。
第百七条 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
正解:1
2015年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。
- 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く登記簿の附属書類の閲覧の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。
- 登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。
- 筆界特定書の写しの交付の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。
2015年度 問14の解説
1
正しい。
登記事項証明書の交付は、誰でも請求することができますから、利害関係人であるかどうかも問われません。
2
正しい。
土地所在図・地積測量図・筆界特定書・地役権図面・建物図面・平面図等は誰でも請求できますが、それ以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限られます。
第百二十一条
(途中省略)
2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。ただし、前項の図面以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。
3
正しい。
【不動産登記規則より】
第百九十四条 前条第一項の交付の請求又は同項若しくは同条第二項の閲覧の請求は、請求情報を記載した書面(第二百三条並びに第二百四条第一項及び第二項において「請求書」という。)を登記所に提出する方法によりしなければならない。
2 登記事項証明書の交付(送付の方法による交付を除く。)の請求は、前項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、登記官が管理する入出力装置に請求情報を入力する方法によりすることができる。
3 登記事項証明書の交付の請求は、前二項の方法のほか、法務大臣の定めるところにより、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。この場合において、登記事項証明書を登記所で受領しようとするときは、その旨を請求情報の内容としなければならない。
4
誤り。
原則として、誰でも(何人も)請求できます。
ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限って請求できます。
【条文の一部抜粋】
第百四十九条何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録のうち筆界特定書又は政令で定める図面の全部又は一部の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付を請求することができる。
2 何人も、登記官に対し、手数料を納付して、筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧を請求することができる。ただし、筆界特定書等以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る。
正解:4
2016年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、所有権の保存の登記を申請しなければならない。
- 登記することができる権利には、抵当権及び賃借権が含まれる。
- 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その滅失の日から1月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
- 区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も、申請することができる。
2016年度 問14の解説
1
本肢のケースでは、所有権の保存登記ではなく、表題登記をしなければなりませんので誤りです。
2
正しい。
以下のようなものが登記できると規定されています。
【条文の一部抜粋】
第三条 登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等についてする。
一 所有権
二 地上権
三 永小作権
四 地役権
五 先取特権
六 質権
七 抵当権
八 賃借権
九 採石権
3
記述の通りで正しいです。
4
正しい。
【条文の一部抜粋】
第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
二 所有権を有することが確定判決によって確認された者
三 収用によって所有権を取得した者
2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
正解:1
2017年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 建物の名称があるときは、その名称も当該建物の表示に関する登記の登記事項となる。
- 地上権の設定の登記をする場合において、地上権の存続期間の定めがあるときは、その定めも登記事項となる。
- 賃借権の設定の登記をする場合において、敷金があるときであっても、その旨は登記事項とならない。
- 事業用定期借地権として借地借家法第23条第1項の定めのある賃借権の設定の登記をする場合、その定めも登記事項となる。
2017年度 問14の解説
1
記述の通りで正しい。
2
記述の通りで正しい。
第七十八条地上権の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 地上権設定の目的
二 地代又はその支払時期の定めがあるときは、その定め
三 存続期間又は借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十二条前段若しくは第二十三条第一項若しくは大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成二十五年法律第六十一号)第七条第一項の定めがあるときは、その定め
(以下省略)
3
誤り。
敷金があるときは、登記事項とされます。
第八十一条賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 賃料
二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め
三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め
四 敷金があるときは、その旨
(以下省略)
4
正しい。
第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
(途中省略)
八 借地借家法第二十二条前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め
正解:3
ポイント
本年の問題は、難易度が高い内容だったように思います。
間違えたとしても、落ち込む必要はありません。過去問をテキスト代わりにする感覚で学習してください。
2018年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
- 表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。
- 所有権の登記名義人は、建物の床面積に変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。
- 所有権の登記名義人は、その住所について変更があったときは、当該変更のあった日から1月以内に、変更の登記を申請しなければならない。
2018年度 問14の解説
1
記述の通りで正しい。
2
記述の通りで正しい。
3
記述の通りで正しい。
4
登記名義人の住所変更については、必ずしなければいけない義務規定ではありません。
申請期限等もありませんので、誤りです。
第六十四条 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
2 抵当証券が発行されている場合における債務者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、債務者が単独で申請することができる。
正解:4
2019年度 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 登記の申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないときは、登記官は、理由を付した決定で、当該申請を却下しなければならない。
- 所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記は、することができない。
- 登記官は、一筆の土地の一部が別の地目となったときであっても、職権で当該土地の分筆の登記をすることはできない。
- 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては、消滅しない。
2019年度 問14の解説
1
正しい。
登記官は、登記申請について一定の受理要件を欠く場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならないことになっています。(第25条)
申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき(不動産の所在地が登記所の管轄外)は、却下要件に該当します。
2
正しい。
不動産登記法41条の通りで正しいです。
3
誤り。
以下の場合、登記官は、職権で分筆の登記をしなければなりません
第三十九条
分筆又は合筆の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
2 登記官は、前項の申請がない場合であっても、一筆の土地の一部が別の地目となり、又は地番区域(地番区域でない字を含む。第四十一条第二号において同じ。)を異にするに至ったときは、職権で、その土地の分筆の登記をしなければならない。
3 登記官は、第一項の申請がない場合であっても、第十四条第一項の地図を作成するため必要があると認めるときは、第一項に規定する表題部所有者又は所有権の登記名義人の異議がないときに限り、職権で、分筆又は合筆の登記をすることができる。
4
正しい。
登記申請に関する代理人の権限は、本人の死亡で消滅しません。
正解:3
2020年 10月 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 敷地権付き区分建物の表題部所有者から所有権を取得した者は、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければ、当該区分建物に係る所有権の保存の登記を申請することができない。
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合であっても、その承諾を得ることなく、申請することができる。
- 債権者Aが債務者Bに代位して所有権の登記名義人CからBへの所有権の移転の登記を申請した場合において、当該登記を完了したときは、登記官は、Aに対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。
- 配偶者居住権は、登記することができる権利に含まれない。
2020年 10月 問14の解説
1
正しい
第74条に規定されている条文からの出題でした。
マンション等の区分所有建物には、敷地権があります。
このような敷地権がついた区分建物を取得した場合は、敷地権の権利者に承諾を得て登記申請をしなさいという事です。
敷地権者からすれば、知らない間に建物の所有者が変わるのは大きなリスクですよね。
不可一体物なので、法律でこのような規定をしてあげているわけです。
(所有権の保存の登記)
第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
一 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
二 所有権を有することが確定判決によって確認された者
三 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者
2 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。
2
誤り
仮登記は、登記名義人の承諾を得ることによって、単独で登記申請ができます。
3
誤り
この場合、所有権はBに移るのですから、当該登記を完了したときは、登記官は、Bに対し、当該登記に係る登記識別情報を通知します。
4
誤り
配偶者居住権は、その権利を登記することができます。
登記ができないと、配偶者の居住権を第三者に主張することが困難になる可能性がありますよね。
直近の民法改正部分でもありますので、この肢については、民法との複合問題です。
正解:1
2021年 10月 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
- 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅する。
- 法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
- 信託の登記は、受託者が単独で申請することができない。
2021年 10月 問14の解説
1
×
所有移転が無い場合であれば、抹消登記を単独で行う事ができますが、このケースでは所有権移転登記があると言っています。
もし、所有権移転登記が無い場合、所有者(権利者)は1人だけですから、単独でできるのは当然ですよね?
売買等によって、移転登記が起こると、権利に係わる登場人物が増えますので、単独では抹消登記の申請はできないという事です。
2
×
登記申請の代理権限は、本人の死亡によって消滅しません。
登記というのは、誰かの死亡によって必要性が消えるものではなく、履歴的に記録しなければ不便が生じるものですよね。
ですので、不動産登記法という特別法の中で民法とは違う規定をしていると考えてください。
(民法の代理権の場合、委任側又は受任側のどちらかが死亡すると代理権は消滅します)
3
〇
法人合併は、権利が分かれるものではなく、複数の会社が1つになる動きです。
要するに、単独登記を許さない規定があるのは、「勝手に登記させられないから」という事情がある場合を想定しているからです。
合併については、本人(会社)が自らのために行うものですので単独申請できるというわけです。
4
×
信託とは、家族の中で信頼できる者などに財産等を託す行為です。
相続対策として「家族信託」という言葉を聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
信託は、売買とは違い、その財産を委託者のために「動かす権利」を証明するものだと考えれてください。
つまり、「委託者=受託者」に近い関係だということです。
売買の場合とは違い、本人(委託者)の意思に従って権利を行使するわけですから、受託者が単独で行う登記についても、委託者が行ったのと同じようなものです。
信託においては、受託者が単独で行う事ができますので、誤りです。
正解:3
まとめ
不動産登記法は、稀に未出題の条文からも出題されることがありますが、同法全体の学習をしていれば対応できる可能性が高まります。
この法律の全体像と条文傾向等をつかんでいると、「これはちょっとおかしいかも」という違和感となって貴方をサポートしてくれるはずです。
地道な精読が、あなたのセンサーを磨いていて、正解を導き出せすサポートをしてくれるわけです。
ちょっと攻略が難しい面がある法令ではありますが、2~3回は演習をして得点源にしていただければと思います。