何らかの事情によって早急に不動産の売却を完了したい場合、買取業者に売却することになります。
私達プロの目線からすると、この買取業者への売却取引では、必要以上に安い価格で取引されているケースがあります。
一般の人には分らない部分なので仕方ない事ではありますが、少し知識を得ておくだけで買い叩かれずに済むこともあります。
今回は、買取業者側の事情や、良い買取り先の選び方についてご紹介したいと思います。
スポンサーリンク
買取に向いている案件とは?
買取りに向いている案件は、大きく分けて二つあります。
一つは、土地が大きい場合です。
要するに、数億円単位の取引になるような土地は、業者しか買えないということです。
もう一つは、早急に売却する必要がある場合です。
早急に売却する必要が無い場合には、不動産仲介業者に依頼して一般のユーザー向けに販売してもらうのが最善の方法です。
しかし、そんな猶予が無い場合には、即決で買い取ってくれる業者を探すことになり、数社で競ってもらう形になるのが通常の流れです。
後述しますが、これだけでは損な取引になってしまう場合がありますので、以下の記事でよく勉強しておくと良いと思います。
早く売却したい時のコツ
一般の人達が早急に不動産を売却したいと考えるのは、相続に関連した事情である場合が多いです。
このような場合、地主さん等ではない限り、土地の大きさは30~100坪程度のケースが多いでしょう。
地主が持っているような大きな土地の場合、上場企業各社での入札形式のような形になりますので、担当営業に任せておけば自然と一番高く買ってくれる業者と取引できるはずです。
しかし、30~100坪程度の小規模な土地の場合、「買いたいと考える業者が圧倒的に多い」という状況なのです。
このような状況では、会社の大きさは関係ありません。
どうしても欲しいと考える業者は多少無理をするので、むしろ小さな会社の方が高い値段をつけることがあります。
ですから、一括査定等では本当に高く買ってくれる業者は見つからないのです。
一括査定がダメな理由
実は、一括査定を使って買取査定をすると、「少しでも高い価格で売却する」という目標が達成できない可能性が高まります。
買取り専門の一括査定に登録されている業者の多くは、比較的に規模の大きな会社が多く、自社で安く買う事を優先しますから、そもそも「高く買う会社に紹介しよう」という発想がありません。
不動産仲介業者に買取業者を紹介してもらう際にも、その担当者が知っている買取業者数社に話がいくだけで終わりです。
これが実態なので、少しでも高く売るには、別の視点と工夫が必要なのです。
買取業者の事情を知ろう
高く買ってくれる相手を見つけるには、買い手側の事情をよく知っておくことも大切です。
どんな業者が、どんな時に高買いするのかを知っておくと有利なわけです。
また、買取りを行う業者達の業界事情にも関係する部分がありますので、ざっくりと背景を掴んでおくことも良い事だと思います。
小見出しにしてご紹介しておきますので、予備知識として頭に入れておきましょう。
スポンサーリンク
仕入業者の業界事情とは?
不動産の買取業者の多くは、建売用地等を探している土地仕入業者です。
上場企業等のパワービルダー系企業は、建物が安く手に入る分、土地の仕入れに資金をまわすことができます。
すると、良い土地は大手ビルダー企業が根こそぎ買っていくという構図になります。
小さい会社は、良い土地を買う事ができないので、形の悪い土地等から掘り出し物を探すことになります。
このように、小さな企業は、普段から土地の仕入れに苦労している事情があります。
それでも、土地を買わなければ事業が成り立たないので、多少無理してでも買わなければいけない時期もあるのです。
確実に手に入れるには、大手企業よりも高い値段で購入するか、独自のコネクションを頼るしかありません。
つまり、建物の利益を削ってでも購入しようと思える物件には、勝負をかけることがあるのです。
相対という慣習
どの業者にも、良い土地を買いたい気持ちはあります。
でも、必ず他社との競合によって土地価格は吊り上げられてしまいます。
そこで、少しでも安く土地を買う為に、人脈を構築して地主や不動産会社と繋がっていきます。
そして、仲良くなった担当者に「案件が出たら、自分だけに紹介してね」とお願いするのです。
これが「相対」と言われる取引です。
相対での取引は競合がいないので、比較的に理想的な価格で取引を成立することができます。
仲介業者の担当者も業者側に有利な説明をするので、話がまとまりやすいのです。
業界で「水面下」と呼ばれる案件の動きで、レインズ等に登録される前に話がついてしまいます。
このような談合的な取り決めは、売却をする人に不利益な行為であり、売却を任された立場にいる不動産仲介会社が受けるべきではない話です。
しかし、実態としては、大手仲介会社でもこのような取引をする傾向が強いです。
調べようがないグレーゾーン的な話なので決して表にも出ません。
これは、仲介業者の担当営業マンが「買取案件は、あの業者にしか出さない」等と決めている場合、高く買ってくれる業者にはたどり着けないということを意味しています。
公平なのは誰か
業界の事情を知ると、それぞれの利害関係や立場等が見えてきます。
買取業者とすれば、少しでも安く買う方法を考えているのが本音です。
仲介業者としては、取引価格が多少安くなっても仲介手数料にはあまり影響しません。
ですから、少しでも高く売ろうとは思いつつも、相対等で人脈構築を優先する人もいます。
本来、自分のために動いてくれるはずの仲介業者でさえ、このような事情を孕んでいるのですから、一体誰を信用すればいいのか分からなくなりますよね。
勿論、真面目に数十社の業者に打診してくれる仲介担当者もいますから、そのような人を見つける事ができればベストです。
スポンサーリンク
公平な立場とは?
最も公平なのは、「利害関係の無い立場にいる不動産業界に詳しい人」かもしれません。
でも、このような人物とは簡単には出会えませんし、会えたとしても無償で動いてもらえそうにありませんよね。
信頼できるはずの仲介業者でも、相対という慣習で安く売られてしまうリスクもあります。
高く買ってくれる業者を探すには、土地仕入れ担当者との幅広い繋がりが必要です。
誰もが持っているわけではないネットワークですから、このような繋がりは私の財産だと思っています。
高く買ってくれる業者を本気で探せば、買取価格の差額に100万円程度の違いは出るものです。
更に、最も高く買ってくれる業者に仲介手数料無しで売却できれば、数百万円の違いが出てきます。
これは大きなコスト削減になりますよね。
私の場合、元々が仕入担当だったので、買取業者側と精通しています。
そして、買取業者から仕事上でのメリットが受けられれば、それでOKな立場なのです。
仲介手数料無料で土地の買取についてお手伝いしますので、ご希望の際は、問い合わせメールでご相談ください。(お問合せ)
東京都又は神奈川県内の案件に限ります。
まとめ
買取業者を選別する際には、会社の大小に関わらず、高く買える可能性の高い業者に打診することが大事です。
そして、仲介業者を介す場合には、できるだけ仲介手数料が安くなる不動産会社を通しましょう。
今回ご紹介した業界事情を考慮しながら、有利に話を進めてみてください。