過去問集について、「法令ごとに分類されていたら便利なのに」と思ったことはありませんか?
最初は、宅建業法の勉強から入る人が多いですから、全50問を通してトライするのはかなり先の話ですよね。
それなのに、勉強した法令ごとに仕分けられたものは少ない気がします。
そこで、宅建業法だけで力試しができるように、2018年度の宅建業法専用の過去問記事を作成してみました。
設問ごとにページ移動しなくて良いので、スマホでの勉強がしやすいと思います。
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過去問集の使い方
携帯やパソコンで、宅建業法に集中した模試のような勉強ができるように作成したつもりです。
目次を上手く活用すると、より便利に学習できると思います。
各肢の説明についても、実務経験とオリジナリティを重視し、出来るだけわかりやすく解説したつもりです。
流し読み用の無料テキストと合わせて勉強に役立ててください。
2017年度
-
宅建業法の過去問 2017年度の試験問題と解説
宅建業法の過去問だけを集中して勉強できるように作成しています。 この記事では、2017年度分の宅建業法の試験問題と解説をまとめています。 スマホで勉強しやすいように、1つの記事の中で完結するようにして ...
2018年 問26
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地の売買に関する広告をインターネットで行った場合において、当該宅地の売買契約成立後に継続して広告を掲載していたとしても、当該広告の掲載を始めた時点で当該宅地に関する売買契約が成立していなかったときは、法第32条に規定する誇大広告等の禁止に違反しない。
- 販売する宅地又は建物の広告に著しく事実に相違する表示をした場合、監督処分の対象となるほか、6月以下の懲役及び100万円以下の罰金を併科されることがある。
- 建築基準法第6条第1項の確認を申請中の建物については、当該建物の売買の媒介に関する広告をしてはならないが、貸借の媒介に関する広告はすることができる。
- 宅地建物取引業者がその業務に関して広告をするときは、実際のものより著しく優良又は有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないが、宅地又は建物に係る現在又は将来の利用の制限の一部を表示しないことによりそのような誤認をさせる場合は、法第32条に規定する誇大広告等の禁止に違反しない。
問26の解説 広告の規制
1
売買契約が成立しているのに広告を掲載し続けるという行為は、「存在しない物件で集客している」ということになりますよね?
要するに虚偽広告ですから、第32条に規定されている誇大広告等の一種になります。
2
設問の通りです。
3
賃貸の広告も建築確認申請中には広告をすることはできません。
賃貸の場合、広告はダメですが、契約や媒介行為自体は制限されていませんので、混同しないように注意しましょう。
詳しくは、無料テキスト⑦の36条の部分を読んでください。
4
将来の利用の制限の一部を表示しないことも、物件を意図的に有利見せようとする誇大広告と同じです。
例えば、聞き方を変えて、「隣にビルが建つ予定があり、日当たりが将来的に悪くなる可能性を表示しなくて良いか?」と聞かれれば、分り易いのではないでしょうか。
正解:2
2018年 問27
宅地建物取引業者Aは、Bが所有し、居住している甲住宅の売却の媒介を、また、宅地建物取引業者Cは、Dから既存住宅の購入の媒介を依頼され、それぞれ媒介契約を締結した。その後、B及びDは、それぞれA及びCの媒介により、甲住宅の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において「建物状況調査」とは、法第34条の2第1項第4号に規定する調査をいうものとする。
- Aは、甲住宅の売却の依頼を受けた媒介業者として、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無について確認しなければならない。
- A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、甲住宅について、設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況及びそれぞれの書類に記載されている内容について説明しなければならない。
- CがDとの間で媒介契約を締結する2年前に、甲住宅は既に建物状況調査を受けていた。この場合において、A及びCは、本件契約が成立するまでの間に、Dに対し、建物状況調査を実施している旨及びその結果の概要について説明しなければならない。
- A及びCは、Dが宅地建物取引業者である場合であっても、法第37条に基づき交付すべき書面において、甲住宅の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項があるときにその記載を省略することはできない。
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問27の解説 建物調査の記載
1
この設問のポイントは、「本件契約が成立するまでの間」という部分です。
媒介契約書の交付は、「契約をしてから遅滞なくしなければならない」という事を覚えていた人は、迷わず誤りであると見抜けたはずです。
「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」については、改正によって記載事項となっています。
2
物件を購入した人に対して、家の設計図、点検の記録、その他の設備等の保存状態を説明するのは当然ですよね。
ですから、前段は正しいです。
後半の、「それぞれの書類に記載されている内容について説明しなければならない」という言い回しがイジワルですよね。(笑)
いかにも、必要なことのように見えます。
でも、考えてみれば、設計図の内容は設計士でなければ説明できませんし、点検の記録についても、仲介業者には購入者と同じように書面情報しかありません。
記載して明示することは必須ですが、内容の説明まではできないのです。
3
建物状況調査の概要等は、重要事項説明の記載事項です。
しかし、説明義務を課しているのは、実施から1年以内の調査とされています。
よって、この肢は誤りです。
1年以上前の建物状況調査(インスペクション)の結果と、直近の状況はかなり異なる可能性もあります。
1年以上前の検査を説明することを有効にしてしまうと、買主が状況を誤認して購入してしまう可能性がある為、説明義務は1年以内としていると考えましょう。
4
正しい肢です。
37条書面とは、契約書のことですから、記載事項は「どんな物件を契約するか」が明らかになる内容でなければ成立しません。
構造耐力上主要な部分等の状況とは、木造住宅である事や、屋根の材質等のことです。
これらは記載事項ですから、相手が誰でも省略できないことが想像できると思います。
相手が宅建業者の場合に省略できるのは、何だったか覚えていますか?
忘れてしまった人は、もう一度テキストを読み返しておきましょう。
正解:4
2018年 問28
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引業者が、買主として、造成工事完了前の宅地の売買契約を締結しようとする場合、売主が当該造成工事に関し必要な都市計画法第29条第1項の許可を申請中であっても、当該売買契約を締結することができる。
イ 宅地建物取引業者が、買主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結した場合、法第37条の規定により交付すべき書面を交付しなくてよい。
ウ 営業保証金を供託している宅地建物取引業者が、売主として、宅地建物取引業者との間で宅地の売買契約を締結しようとする場合、営業保証金を供託した供託所及びその所在地について、買主に対し説明をしなければならない。
エ 宅地建物取引業者が、宅地の売却の依頼者と媒介契約を締結した場合、当該宅地の購入の申込みがあったときは、売却の依頼者が宅地建物取引業者であっても、遅滞なく、その旨を当該依頼者に報告しなければならない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
問28の解説 宅建業法の規定(正誤判断)
ア
造成に関する許可や、建築確認申請が完了していない状態では、売買契約をすることはできません。
広告についても、同様に行うことができません。
イ
契約書を交付しなくて良いわけがありませんよね?
ですから、すぐに誤りだとわかるサービス肢です。
ウ
この取引は、売主も買主も宅建業者です。
供託所等についての説明は、相手が宅建業者の場合には説明義務が免除されています。
ですから、この肢は誤りです。
エ
正しい肢です。
購入の申し込みがあった時は、「遅滞なく」依頼人に報告する必要があります。
この「遅滞なく」という部分をしっかり覚えておくと、正確に判別できます。
正解:1
2018年 問29
Aは、Bとの間で、Aが所有する建物を代金2,000万円で売却する売買契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結した。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。
- A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、Aは、本件契約の成立後、法第37条の規定により交付すべき書面を作成し、記名押印は宅地建物取引士ではない者が行い、これをBに交付した。
- A及びBがともに宅地建物取引業者である場合において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除があったときの損害賠償の額を600万円とする特約を定めた。
- Aは宅地建物取引業者であるが、Bは宅地建物取引業者ではない場合において、Aは、本件契約の締結に際して、500万円の手付を受領した。
- Aは宅地建物取引業者であるが、Bは宅地建物取引業者ではない場合において、本件契約の目的物である建物の瑕疵を担保すべき責任に関し、契約の解除又は損害賠償の請求は目的物の引渡しの日から1年以内にしなければならないものとする旨の特約を定めた。
問29の解説 契約時の規定(正誤判断)
1
契約書への記名押印は、宅建士にさせなければなりませんので、この部分で誤った肢だと判断しなくてはいけません。
そもそも、資格を持っていない人が記名押印する意味がありませんから、何も知識がなくても誤りだと判断できる内容ですよね。
2
この問題では、不動産業者同士の取引で省略できる部分について、正確に記憶しているかを試しています。
今後も、このような視点で問題が作成されると思いますので、よく復習しておきましょう。
無料テキスト⑨で、宅建業者同士に適用されない8つの規制についてまとめてあります。
損害賠償額の予定等に関する事項は、この8つの中に含まれていますので、本肢は規定に違反しません。
3
相手が宅建業者ではない場合なので、手付金の制限がかかります。
売買代金の20%を超えてはいけませんから、このケースでは400万円までが上限です。
よって、本肢は誤りです。
4
相手が宅建業者ではない場合の瑕疵担保責任では、「民法よりも不利な特約はダメ!」という規定があります。
民法では2年以上としていますから、これより短い期間で定めるのは規定違反となります。
正解:2
2018年 問30
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bが所有する建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とし、1か月分の借賃を10万円(消費税等相当額を含まない。)、CからBに支払われる権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものであり、消費税等相当額を含まない。)を150万円とする定期建物賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 建物が店舗用である場合、Aは、B及びCの承諾を得たときは、B及びCの双方からそれぞれ10万8,000円の報酬を受けることができる。
- 建物が居住用である場合、Aが受け取ることができる報酬の額は、CからBに支払われる権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算出される16万2,000円が上限となる。
- 建物が店舗用である場合、Aは、Bからの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が賃貸借契約の成立に寄与したときは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額をBに請求することができる。
- 定期建物賃貸借契約の契約期間が終了した直後にAが依頼を受けてBC間の定期建物賃貸借契約の再契約を成立させた場合、Aが受け取る報酬については、宅地建物取引業法の規定が適用される。
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問30の解説 報酬額の計算
1
要するに、月10万円の家賃、権利金150万円の賃貸テナント物件を仲介したときの報酬額を聞いています。
居住用建物以外の報酬になりますので、合計で1ヶ月分の賃料を報酬にすることができます。
相手の承諾は関係ありませんので、合計額が1ヶ月分を超えている時点で誤りだと判断できる肢です。
また、テナントの場合、権利金を売買代金として報酬を計算することもできることになっています。
しかし、計算すると1ヶ月分の賃料よりも低い報酬額(81,000円)になりますので、どちらにしても違反になります。
2
居住用の建物の場合、権利金から報酬額を算出する事はできません。
そもそも、権利金が設定されているのは、店舗物件等のような場合が多いですよね。
居住用の場合は、賃料で算出することになっていますから、権利金を基に計算している時点で誤った肢だと判断できます。
3
報酬とは別に広告料もらえるのは、依頼人からの要請で広告費を投じた場合です。
不動産業者が集客するために独自判断で行った広告については、報酬とは別にもらうことは許されません。
4
新たに契約(再契約)するのですから、宅建業法の規定の通りに報酬額を受け取ることが出来ます。
正解:4
2018年 問31
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 土地付中古住宅(代金500万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Bから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をBに対し説明した上で、AがBから受け取ることができる報酬の上限額は280,800円である。
- 土地付中古住宅(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが買主Cから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ4万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をCに対し説明した上で、AがCから受け取ることができる報酬の上限額は194,400円である。
- 土地(代金350万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Dから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ2万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をDに対し説明した上で、AがDから受け取ることができる報酬の上限額は194,400円である。
- 中古住宅(1か月分の借賃15万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借について、Aが貸主Eから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の貸借の媒介に比べ3万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をEに対し説明した上で、AがEから受け取ることができる報酬の上限額は194,400円である。
問31の解説 報酬額の上限
1
平成30年の改正で、売買代金が400万円以下の空き家等についての報酬額の上限が変更されましたが、この肢の設定は500万円なので該当しません。
よって、通常の規定通りに計算することになり、物件調査費用についても原則としてこの中から捻出することになります。
500万円×3%+6万円=21万円(消費税込みで226,800円まで)
2
400万円以下の空き家等の特例規定は、『売主からもらう報酬』だけを対象にしたものです。
この肢のケースでは、買主から受領する分を聞いています。
よって、売買代金が200万円以下までは5%、200万円から400万円は4%の報酬額になります。
【計算例】
(200万円×5%)+(100万円×4%)=14万円(消費税込みで151,200円まで)
本肢は、限度額を超えた額を受領しようとしている為、誤りです。
3
この肢は、400万円以下の特例に該当するケースです。
売買代金が350万円ですので、仲介手数料が16万円です。
売主の依頼ですから、特例として特別な調査費用(2万円)も加算できます。
合計で18万円ですので、規定いっぱいではありますが、上限を超えていませんのでセーフです。
上限には、消費税が含まれませんので、この18万円に消費税をプラスした額(194,400円)までが報酬上限となり、正解肢です。
4
空き家等の特例が、どんな取引で適用されるかを確認させる問題です。
売買代金が400万円以下の報酬上限の特例は、売買の「代理又は媒介」の場合に限り適用される規定です。
本肢は、賃貸物件の取引ですから、報酬の限度額は家賃の1ヶ月分+消費税までです。
問題文は、この上限を超えているので誤りです。
正解:3
2018年 問32
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引士が都道府県知事から指示処分を受けた場合において、宅地建物取引業者(国土交通大臣免許)の責めに帰すべき理由があるときは、国土交通大臣は、当該宅地建物取引業者に対して指示処分をすることができる。
- 宅地建物取引士が不正の手段により宅地建物取引士の登録を受けた場合、その登録をした都道府県知事は、宅地建物取引士資格試験の合格の決定を取り消さなければならない。
- 国土交通大臣は、すべての宅地建物取引士に対して、購入者等の利益の保護を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができる。
- 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、乙県知事から事務の禁止の処分を受けた場合は、速やかに、宅地建物取引士証を乙県知事に提出しなければならない。
問32の解説 監督処分
1
宅建業法第65条(無料テキスト⑪)の意味を理解して読んでいる人は、都道府県知事と国土交通大臣が指示処分することができる事がわかったと思います。
本肢では、前段条件下で「国土交通大臣は指示処分をすることができるか」と聞いているわけですから、「できます」ということになり、正解肢です。
2
宅建業法第68条の規定を正確に覚えていないと間違えてしまう問題です。
不正な手段で登録したと判明した場合には、都道府県知事は「登録を消除」しなければならないと規定しています。(無料テキスト⑪)
合格自体を取り消すものではありませんので、誤りとなります。
以下の違いを覚えておきましょう。
不正な手段で登録⇒消除
不正な手段で受験⇒合格取消し
3
もっともらしい言い回しですが、国土交通大臣は宅建業者に対して同様の権限を持っていますので、誤りの肢となります。
冷静に考えれば、宅建士全員に、いちいち指導するような立場ではないことが想像できると思います。
組織の立場や役割を理解しながらテキストを読んでいると、違和感に気付けると思います。
4
事務禁止処分を受けた時には、速やかに宅建士証を提出する義務が生じます。
しかし、その提出先は、宅建士証を交付した都道府県知事ですので誤りです。
正解:1
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2018年 問33
宅地建物取引業者Aは、Bから、Bが所有し居住している甲住宅の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aが甲住宅について、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の制度概要を紹介し、Bが同調査を実施する者のあっせんを希望しなかった場合、Aは、同項の規定に基づき交付すべき書面に同調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載する必要はない。
- Aは、Bとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、当該媒介契約締結日から7日以内(休業日を含まない。)に、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。
- Aは、甲住宅の評価額についての根拠を明らかにするため周辺の取引事例の調査をした場合、当該調査の実施についてBの承諾を得ていなくても、同調査に要した費用をBに請求することができる。
- AとBの間で専任媒介契約を締結した場合、Aは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、BがA以外の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置について記載しなければならない。
問33の解説 媒介契約
1
「建物状況調査のあっせんに関する事項」は、媒介契約書の記載事項となっていますので、あっせんが無かったとしても、その旨を記載する必要がありますので誤りです。
2
専属専任媒介契約の場合には、7日以内ではなく、5日以内に登録しなければなりませんので、誤りです。
3
どんな場合だとしても、そもそも依頼者の承諾を得ずに個別の費用を受領することはできません。
「承諾を得ていない」という部分で誤りだと判断しなくてはいけない肢です。
4
専任で契約したのに、自分で取引相手を見つけてきたという「契約違反」があった場合の規定について説明しています。
契約違反に対する措置は、媒介契約書の記載事項ですから、正しい肢です。
正解:4
2018年 問34
宅地建物取引業者が媒介により既存建物の貸借の契約を成立させた場合、宅地建物取引業法第37条の規定により、当該貸借の契約当事者に対して交付すべき書面に必ず記載しなければならない事項の組合せはどれか。
ア 瑕疵担保責任の内容
イ 当事者の氏名(法人にあっては、その名称)及び住所
ウ 建物の引渡しの時期
エ 建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項
- ア、イ
- イ、ウ
- イ、エ
- ウ、エ
問34の解説 37条書面(賃貸契約時)
瑕疵担保責任(ア)の内容は、賃貸の契約書に記載しなくても問題が無い事項です。
どんな契約書でも、当事者の氏名・住所(イ)は、必要ないわけがありませんよね。
建物の引渡しの時期(ウ)も、契約書の内容として必須な事項です。
建物の構造耐力上主要な部分(エ)の説明は、売買では必要ですが、賃貸では記載事項から外されています。
よって、(イ)と(ウ)の組み合わせが正解です。
正解:2
2018年 問35
宅地建物取引業者間の取引における宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明及び重要事項を記載した書面(以下この問において「重要事項説明書」という。)の交付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 建物の売買においては、売主は取引の対象となる建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)について耐震診断を受けなければならず、また、その診断の結果を重要事項説明書に記載しなければならない。
- 建物の売買においては、その対象となる建物が未完成である場合は、重要事項説明書を交付した上で、宅地建物取引士をして説明させなければならない。
- 建物の売買においては、その建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結などの措置を講ずるかどうか、また、講ずる場合はその概要を重要事項説明書に記載しなければならない。
- 宅地の交換において交換契約に先立って交換差金の一部として30万円の預り金の授受がある場合、その預り金を受領しようとする者は、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合はその概要を重要事項説明書に記載しなければならない。
問35の解説 重要事項説明書の記載事項
1
耐震診断を受けなければならないという規定は存在しませんので、誤りです。
2
この取引の前提条件は、業者間取引です。不動産業者同士の取引では、重要事項説明の交付をすれば、宅建士による説明まではしなくて良いことになっています。
相手も同様にプロですから、書面だけ交付すればOKということです。
本肢では、宅建士にさせなければならないと言っているので、この部分が誤りです。
3
本肢の通り、瑕疵担保責任に関する事項は重要事項説明書の記載事項ですので、正しい肢となります。
4
これは、とても難しい肢だったと思いますが、誤りです。
保全措置については重要事項説明書の記載事項ですので、一見すると正しい肢に見えますよね。
しかし、施工規則第16条の三で、支払金又は預り金が50万円未満の場合が除外されています。
おそらく、ここまでの知識を問いたいわけでは無く、3番が正しい肢だと確信できるかを試しているのだと思います。
正解:3
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2018年 問36
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者Aが免許の更新の申請を行った場合において、免許の有効期間の満了の日までにその申請について処分がなされないときは、Aの従前の免許は、有効期間の満了によりその効力を失う。
- 甲県に事務所を設置する宅地建物取引業者B(甲県知事免許)が、乙県所在の宅地の売買の媒介をする場合、Bは国土交通大臣に免許換えの申請をしなければならない。
- 宅地建物取引業を営もうとする個人Cが、懲役の刑に処せられ、その刑の執行を終えた日から5年を経過しない場合、Cは免許を受けることができない。
- いずれも宅地建物取引士ではないDとEが宅地建物取引業者F社の取締役に就任した。Dが常勤、Eが非常勤である場合、F社はDについてのみ役員の変更を免許権者に届け出る必要がある。
問36の解説 業者免許
1
行政側の都合で申請に時間がかかっている場合の事を言っています。
申請者には何も罪がありませんから、このような場合は免許の効力は処分が確定されるまで継続されます。
よって、本肢は誤りです。
2
事務所の新設や移転等に変化が無いのに、免許換えが必要になることはありません。
乙県に事務所を新設するわけではないので、免許換えの必要はなく、本肢は誤りです。
3
懲役刑は禁固以上の刑に該当しますので、免許取得の欠格事由となりますので、設問の通りで正しいです。
4
役員・政令で定める使用人の氏名は、変更の届出が必要な事項に該当します。
宅建士であるかどうかや、非常勤であるかは関係ありませんので、どちらの役員についても届出が必要であり、誤りです。
正解:3
2018年 問37
宅地建物取引業者である売主Aが、宅地建物取引業者Bの媒介により宅地建物取引業者ではない買主Cと新築マンションの売買契約を締結した場合において、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア AとCの間で、クーリング・オフによる契約の解除に関し、Cは契約の解除の書面をクーリング・オフの告知の日から起算して8日以内にAに到達させなければ契約を解除することができない旨の特約を定めた場合、当該特約は無効である。
イ Cは、Bの事務所で買受けの申込みを行い、その3日後に、Cの自宅近くの喫茶店で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。
ウ Cは、Bからの提案によりCの自宅で買受けの申込みを行ったが、クーリング・オフについては告げられず、その10日後に、Aの事務所で売買契約を締結した場合、クーリング・オフによる契約の解除はできない。
エ クーリング・オフについて告げる書面には、Bの商号又は名称及び住所並びに免許証番号を記載しなければならない。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- なし
問37の解説 クーリング・オフ
ア
本来、クーリング・オフの効力は、書面を発信した時に生じることになっていますが、本肢では「到達させなければ解約できない」という特約を定めています。
これは、買主に不利な特約ですから無効となるので、正しい肢と言えます。
イ
クーリング・オフで重要視しているのは、「正しい判断ができる状況だったか」という点です。つまり、意思表示をした場所に重きを置いているのです。このケースでは、事務所で申し込みをしていますから、本人の意思は固かったと判断できます。契約の場所は喫茶店でもクーリング・オフの対象にはなりませんので、誤った肢です。
ウ
申込者が自宅での申込みを依頼した場合はクーリング・オフの対象になりませんが、このケースのように業者側から自宅で申し込みの意思をすることを提案している場合にはクーリング・オフの対象となりますので、誤りです。
業者から働きかけているので、事務所と同等の場所として扱う事はできないわけです。
エ
Bは媒介業者ですよね。クーリング・オフについての告知書面に記載しなければならない事項は、売主Aの情報です。
媒介業者の情報を記載しても、あまり意味がないですよね。
ということで、本肢も誤りです。
正解:2
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2018年 問38
宅地建物取引業者である売主は、宅地建物取引業者ではない買主との間で、戸建住宅の売買契約(所有権の登記は当該住宅の引渡し時に行うものとする。)を締結した。この場合における宅地建物取引業法第41条又は第41条の2の規定に基づく手付金等の保全措置(以下この問において「保全措置」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 当該住宅が建築工事の完了後で、売買代金が3,000万円であった場合、売主は、買主から手付金200万円を受領した後、当該住宅を引き渡す前に中間金300万円を受領するためには、手付金200万円と合わせて保全措置を講じた後でなければ、その中間金を受領することができない。
- 当該住宅が建築工事の完了前で、売買代金が2,500万円であった場合、売主は、当該住宅を引き渡す前に買主から保全措置を講じないで手付金150万円を受領することができる。
- 当該住宅が建築工事の完了前で、売主が買主から保全措置が必要となる額の手付金を受領する場合、売主は、事前に、国土交通大臣が指定する指定保管機関と手付金等寄託契約を締結し、かつ、当該契約を証する書面を買主に交付した後でなければ、買主からその手付金を受領することができない。
- 当該住宅が建築工事の完了前で、売主が買主から保全措置が必要となる額の手付金等を受領する場合において売主が銀行との間で締結する保証委託契約に基づく保証契約は、建築工事の完了までの間を保証期間とするものでなければならない。
問38の解説 手付金の保全措置
1
宅建業者が自ら売主として完成物件を販売する際には、売買代金の10%を超える手付金に対して保全措置が必要です。
本肢のケースでは、10%を超えていませんから、保全措置は不要です。
正しい肢です。
2
未完成物件の場合、原則としては保全措置を講じなければいけませんが、手付金の額が売買代金の5%以下で尚且つ1000万円以下の場合には、保全措置をせずに受領できます。
本肢のケースでは、手付金が売買代金の5%を超えていますので、保全措置が必要です。
よって、この肢は誤りです。
3
未完成物件の保全措置には、銀行等が連帯保証する「保証委託契約」と、保険業者による保証保険契約の2種類があります。
指定保管機関との寄託契約は利用できませんので、誤りとなります。
4
「工事の完了まで」で保証が終わってしまったら、物件完成から引渡しまでの間が心配ですよね?
「引渡しまでの期間」が保証されなくては、買主の立場を保全したことにならないので、本肢は誤りです。
正解:1
2018年 問39
宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合における宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、当該建物を借りようとする者は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 当該建物を借りようとする者が宅地建物取引業者であるときは、貸借の契約が成立するまでの間に重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、その内容を宅地建物取引士に説明させる必要はない。
- 当該建物が既存の住宅であるときは、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要を説明しなければならない。
- 台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について説明しなければならない。
- 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。
問39の解説 35条書面の説明
1
物件の借り手が宅建業者の場合、重要事項説明書は交付しなければなりませんが、内容の説明については省略が可能です。
相手がプロの時は、書面だけ交付すればOKなので、正しい肢です。
2
問題文の通りなので、特に説明する事はありません。
3
台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況は、賃借契約の場合に重要事項となりますので、正しいです。
4
賃借契約の場合には、IT活用による重説が認められていますが、宅建士証の提示は省略できませんので誤りです。
正解:4
2018年 問40
宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
ア Aは、自ら売主として、建物の売買契約を締結するに際し、買主が手付金を持ち合わせていなかったため手付金の分割払いを提案し、買主はこれに応じた。
イ Aは、建物の販売に際し、勧誘の相手方から値引きの要求があったため、広告に表示した販売価格から100万円値引きすることを告げて勧誘し、売買契約を締結した。
ウ Aは、土地の売買の媒介に際し重要事項の説明の前に、宅地建物取引士ではないAの従業者をして媒介の相手方に対し、当該土地の交通等の利便の状況について説明させた。
エ Aは、投資用マンションの販売に際し、電話で勧誘を行ったところ、勧誘の相手方から「購入の意思がないので二度と電話をかけないように」と言われたことから、電話での勧誘を諦め、当該相手方の自宅を訪問して勧誘した。
- 一つ
- 二つ
- 三つ
- 四つ
問40の解説 勧誘の際の禁止行為
ア
売主による手付金の分割払いの提案は、宅建業法第47条に規定する「契約の締結を誘引する行為」に該当しますので規定違反です。
イ
手付金を貸与する行為等は、「契約をさせるため」なので禁止されています。
しかし、相手から値引きの要求を受けて値引き勧誘する事については、手付貸与ではありません。
それに、販売側の利益を減じているので、むしろ買い手に有利になっています。
考えてみれば、これを禁止してしまったら、値引きができなくなってしまいます。
ですから、これは規定違反ではありません。
ウ
重要事項説明では宅建士が説明する必要がありますが、物件案内中等に宅建を持っていない営業マンが交通等の利便性について説明する事は日常的にあります。
逆を返せば、このような無資格の営業マンの説明が本当に間違っていないのか、最終確認できる機会が有資格者による重要事項説明なのです。
よって本肢は規定違反ではありません。
エ
相手方が購入の意思がないと意思表示をしているのですから、これに反した行動は規定違反になるのが当然ですよね。
顧客の意思に反して自宅を訪ねる行動までとれば、嫌がらせとかストーカーと同じ部類になってきます。
「勧誘の際の禁止行為」にも該当しますが、そもそもこの規定を知らなかったとしても、モラル的に考えて違反行為であることは想像できると思います。
正解:2
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2018年 問41
次の記述のうち、宅地建物取引業の免許を要する業務が含まれるものはどれか。
- A社は、所有する土地を10区画にほぼ均等に区分けしたうえで、それぞれの区画に戸建住宅を建築し、複数の者に貸し付けた。
- B社は、所有するビルの一部にコンビニエンスストアや食堂など複数のテナントの出店を募集し、その募集広告を自社のホームページに掲載したほか、多数の事業者に案内を行った結果、出店事業者が決まった。
- C社は賃貸マンションの管理業者であるが、複数の貸主から管理を委託されている物件について、入居者の募集、貸主を代理して行う賃貸借契約の締結、入居者からの苦情・要望の受付、入居者が退去した後の清掃などを行っている。
- D社は、多数の顧客から、顧客が所有している土地に住宅や商業用ビルなどの建物を建設することを請け負って、その対価を得ている。
問41の解説 業者免許の必要性
1
ある地主さんが、相続税対策として収益物件を建築し、これを人に貸して賃貸経営をしたとします。
これって、多くの地主さんがやっている事ですよね。
規模が10区画になろうと、やっていることは収益物件のオーナー経営です。
賃貸物件の貸主となるために宅建業者の免許はいりません。
建築行為についても、本肢では業者免許を要する業務はありません。
2
不動産屋として入居者を募集する際には、免許が必要ですが、このケースはそのような状況ではありません。
自己所有物件をテナントとして貸したいと思って、自己募集しているだけの話ですよね?
貸主になる事も、個人として借り手を探す事も業者免許を必要としません。
3
本肢の説明の内、「貸主を代理して行う賃貸借契約の締結」については、業者免許が必要になる業務です。
よって、この肢には、業者免許が必要になる業務が含まれています。
4
建物の請負事業は、「建築業」です。
建築業者としての免許は必要ですが、宅建業者としての免許は不要です。
不動産業者には、建設業と宅建業の両方を保有している会社も多いので、これらの免許内容を勘違いしないようにしましょう。
正解:3
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2018年 問42
次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引士が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に、その旨を当該宅地建物取引士の登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。
- 甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときは、乙県知事に対し登録の移転の申請をし、乙県知事の登録を受けなければならない。
- 宅地建物取引士は、事務禁止の処分を受けたときは宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなくてよいが、登録消除の処分を受けたときは返納しなければならない。
- 宅地建物取引士は、法第37条に規定する書面を交付する際、取引の関係者から請求があったときは、専任の宅地建物取引士であるか否かにかかわらず宅地建物取引士証を提示しなければならない。
問42の解説 宅建士の規定
1
都道府県知事には届け出をする必要がありますが、「相続人が死亡の事実を知った日から30日以内」にすればOKですので、本肢は誤りです。
2
登録の移転は、任意規定なので、登録の移転の申請を「することができる」だけです。
受けなければならないわけではないので、誤りです。
3
事務禁止の処分を受けた宅建士は、速やかに、宅建士証の交付を受けた都道府県知事に宅建士証を提出しなくてはなりません。(宅建業法 第22条、第68条)
4
宅建士証に提示を求められた際には、専任の取引士でなくても提示義務が生じます。
よって、正しい肢です。
他の肢が、かなり細かい部分まで聞いてきている時には、このように「この肢さえ正解だとわかれば合格だよ」というバランスになっている事が多いです。
ですから、何度も出題されている基本的な情報を確実に覚えることが大切です。
正解:4
2018年 問43
宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 宅地建物取引業者は、免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出を行わなかったことにより国土交通大臣又は都道府県知事の催告を受けた場合、当該催告が到達した日から1月以内に届出をしないときは、免許を取り消されることがある。
- 宅地建物取引業者に委託している家賃収納代行業務により生じた債権を有する者は、宅地建物取引業者が供託した営業保証金について、その債権の弁済を受けることができる。
- 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業の開始後1週間以内に、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、営業保証金を供託した旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
- 宅地建物取引業者は、新たに事務所を2か所増設するための営業保証金の供託について国債証券と地方債証券を充てる場合、地方債証券の額面金額が800万円であるときは、額面金額が200万円の国債証券が必要となる。
問43の解説 営業保証金
1
本肢の記述の通りで正しいです。(無料テキスト④参照)
2
「家賃収納代行業務」は宅建業ではありません。
つまり、業者免許がなくてもできる仕事です。
このような仕事から生じた債権は、営業保証金からの弁済の対象外です。
宅建業に関する取引をしたことによって生じた債権が対象ですので、誤りです。
3
宅建業の業務を開始できるのは、全ての供託手続きが完了してからです。
本肢では、既に業務を開始している状態なので、誤りです。
4
新たな事務所を2か所増やすには、1000万円の営業保証金が必要です。
地方債証券は額面の90%で評価されることになっていますので、このケースでは720万円分が認められます。
残りは280万円ですが、本肢では、200万円の国債が必要だとしか書いていません。
よって、この肢は誤りです。
この問題は、1番の肢が正しいと分れば解けるので、地方債証券の評価率を覚えるよりは、基本的な部分を強化する意識で良いと思います。
正解:1
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2018年 問44
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aは、保証協会の社員の地位を失った場合、Aとの宅地建物取引業に関する取引により生じた債権に関し権利を有する者に対し、6月以内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
- 保証協会は、Aの取引の相手方から宅地建物取引業に係る取引に関する苦情を受けた場合は、Aに対し、文書又は口頭による説明を求めることができる。
- Aは、保証協会の社員の地位を失った場合において、保証協会に弁済業務保証金分担金として150万円の納付をしていたときは、全ての事務所で営業を継続するためには、1週間以内に主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金として1,500万円を供託しなければならない。
- Aは、その一部の事務所を廃止したときは、保証協会が弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をした後でなければ、弁済業務保証金分担金の返還を受けることができない。
問44の解説 保証協会
1
宅建業者であるAが公告を行うのではなく、保証協会が公告をします。
ここだけで誤りだと判断できる肢です。
2
宅建業法 第64条にある規定で、本肢の通りです。詳細は、無料テキスト⑩に掲載しています。
3
解説をする前に申し上げておきますが、この肢については、勉強を飛ばしても良いと思います。
知識としては、保証協会を利用する際の弁済業務保証金分担金の金額は、主たる事務所が60万円、従たる事務所1か所あたり30万円だという事だけ覚えておけば充分だと考えます。
2番が正しいと判断できれば良いという趣旨の出題なので、本問にレベルを合わせると深入りしすぎる事になると思います。
以下、念のため解説しておきます。
保証協会に150万円を納めていた業者は、重たる事務所分が60万円ですから、残りの90万円分は支店の為という事になります。
支店1つにつき30万円ですから、3つの支店があったわけです。
このような業者が、保証協会ではなく、営業保証金による供託をする場合、いくら必要か計算してみましょう。
営業保証金の場合、本店は1000万円、支店1つにつき500万円ですから、このケースは合計で2500万円が必要になります。
しかし、本肢では、これが1500万円と記載されていますので、誤りであることが分ります。
4
原則として、保証協会による公告が必要ですが、一部の事務所を廃止しただけの場合には、債権者が問い合わせる場所があるわけですから、公告が不要とされています。
よって、本肢は誤りです。
正解:2
問45について
毎年のように、問45では「特定住宅瑕疵担保責任の履行」についての問題が出題されています。
ここは、宅建業法のテキストとは分けて専用のテキストを作成していますので、当サイトでは宅建業法の過去問には入れないようにしたいとおもいます。
この部分は、問45対策の無料テキストで集中的に学習し、各年度の問45だけを解いて一気に勉強した方が良いからです。
試験の1~2ヶ月前でも構いませんので、なるべく濃縮して額趣旨、得意分野にしてしまいましょう。
-
宅建の問45対策(特定住宅瑕疵担保責任の履行)
特定住宅瑕疵担保責任の履行についての問題は、毎年のように問45で出題されています。 宅建業法は、全20問出題と表現されることが多いですが、この20問目に当たるのが「問45」です。 宅建業 ...
まとめ
2018年度(平成30年度)宅建業法の過去問は、これでバッチリ理解できたのではないでしょうか。
間違えた箇所は、どこかにメモしておく等の工夫をして、定期的にチェックして頭に叩き込んでください。通勤・通学で使用してもらえたら本望です。