不動産会社がどうやって顧客を集めているのか、知りたいと思った事はありませんか?
一方、不動産会社側では、今よりも良い集客方法に悩んでいる会社が多いことでしょう。
今回は、一般的な不動産会社(売買)の集客手段について、私が現場で見てきた全ての方法をまとめておきます。
将来、独立を考えている人は、広告費のイメージがしやすくなるかもしれません。
また、今後の新しい手法等についても、少しご紹介したいと思います。
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広告による集客
売買専門の不動産会社では、建売又はマンションの販売がメイン業務となります。
新築か中古かに関係なく、何らかの形で広告掲載をして集客するのがスタンダードな方法です。
広告媒体にも色々ありますので、もう少し細分化して説明していきたいと思います。
1.WEB掲載
最近ではネット媒体での集客がメインになっている不動産会社も多いと思います。
有名なところでは、SUUMO(スーモ)やホームズ等がありますよね。
最近では、これ以外にも様々なサイトが存在しており、広告掲載費用のシステムも多様です。
写真や掲載スペースの大きさによって価格設定がランク分けされているのが一般的です。
簡単な動画を掲載する事が可能なサイト等もあり、手をかけすぎると意外に高額になります。
2.雑誌掲載
スーパーマーケット等に無料の住宅情報誌が置いてあるのを見かけたことがありませんか?
無料とはいえ、住宅購入に興味のある人しか持っていかない可能性が高い媒体なので、意外に契約率の高い顧客が問い合わせてくる傾向があります。
こちらも、WEBの場合と同様に、コマ毎に単価が決められていて、写真や物件情報を用意して掲載依頼します。
個人的には、WEB掲載よりも少し手間がかかり、面倒に感じますが、ハマれば効果の高い集客媒体です。
物件の選別が難しいのが難点です。
紙媒体の広告は、WEBとは違ってリアルタイムでの掲載ができません。
ですから、印刷して顧客の手に渡る頃には、既に完売している可能性もあるのです。
3.HP掲載
会社の規模にもよりますが、自社のホームページを持っている不動産会社も多いですよね。
しかし、大手で無い限り、自社ホームページからの反響はかなり少ないです。
殆ど無いというケースが多いのではないかと思います。
ですから、小さな会社は、あまりお金をかけない方が得策だと思います。
4.折込みチラシ
キャンペーンや季節のイベント等を掲げて、新聞の折込みチラシを行います。
頒布する範囲と部数によって金額が大きく変動します。
一カ月のチラシ広告費が数百万円になることもありますので、なかなか勇気のいる広告媒体です。
比較的効果が高い媒体ですが、複数店舗を展開するような不動産会社でないと、なかなか大きな広告が打てないのが実情です。
5.ポスティング広告
ポスティング業務については、全く行わない会社もあります。
これは、反響率が低い為、効率が悪いと考える会社です。
営業が各自の判断で行う場合、社内で輪転機という印刷機のような機械でチラシを刷り、自分でポスティング活動を行います。
ポスティングスタッフを雇って頒布する場合は、チラシを制作するだけで済みます。
1万枚撒いて1件の反響があれば良い方だとも言われており、チラシの出来映えにかなり左右されます。
建売購入者を集客する場合は、マンションやアパート等の集合住宅をメインにポスティングします。
売却案件を募集する場合は、一戸建を中心に撒かれることが多いと思います。
6.その他
その他、地域で発行している雑誌や、市報等に会社名等を広告することもあります。
知名度の向上と、電話での問い合わせを狙った内容になることが多いです。
道路、ビル、駅等に設置されている看板広告に投資する不動産会社も多いです。
当然ながら、広告資金がある会社は、ラジオやテレビでも宣伝します。
来店と電話反響
ここまでに説明したような広告媒体を見て、店に直接足を運ぶ人がいます。
来店客は、集客の中でも最も契約の可能性が高い為、営業マンが最も欲しい顧客です。
来店客は、売却依頼の場合もあります。
また、ネット情報やチラシ等を見て電話をかけてくる人もいて、これも熱い反響の一つです。
ネット媒体の場合は、メール反響が多くなり、来店客や電話反響に比べて成約率が落ちます。
営業マンの能力によって差が出やすい媒体とも言えると思います。
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現地販売会
売主の会社に「広告を打って集客しますから、売り出しをやらせてください」と依頼して行うものです。
勿論、自社物件の場合は別ですが、通常は売れそうな物件の売主にお願いしてやらせてもらいます。
折込みチラシの表面に「現地販売会」等と掲載して週末の来場を狙うのが一般的です。
現地では、のぼり旗等で人目に目立つようにし、通行する人にも視認されるように努力します。
会社によっては、万国旗を飾って華やかな雰囲気を演出することもあります。
資金のある企業では、モデルルームに家具を入れるケースもあります。
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紹介客
今後の新しい集客方法としては、この紹介客を発生させる工夫にあると思います。
過去の顧客からの紹介というのは、それほど期待できるものではありませんし、具体的に講じられる対策もありません。
しかし、提携企業等からの紹介であれば、対策を講じる余地はあります。
銀行や電鉄系の不動産会社では、これをグループ会社内で完結させているわけですから、他業種からの不動産案件というのは意外に存在しているのです。
自動車販売やハウスメーカー等でも、紹介客の発生に対して紹介料を支払う仕組みがありますよね。
戸建に限らず、社有地の処分や社員寮や店舗用地等、不動産に関係する仕事は存在しています。
これらの仕事を、何かお互いのメリットが生まれる形で協力できる策があれば、新たな集客減となる可能性があります。
年間の案件が1件増えるだけでも、確実に売り上げは立ちます。
そして、その1件が大型案件の場合もあるかもしれません。
不動産の仕事は、このような小さな可能性をいかに獲得できるかが勝負ですから、できる限りの開拓努力はすべきではないかと思います。
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広告掲載のコツ
チラシやWEBに掲載する物件の選別については、地域によってコツのようなものが存在します。
物件の価格帯等によって、顧客の反応が大きく異なるのです。
このコツを理解しないままで広告費を投じると、単にお金をバラ撒いただけという結果になりやすいです。
費用対効果を高める広告掲載がどのようなものか、地域ごとに研究する必要があります。
なんとなく売れそうな物件を掲載しているようでは、良い結果は出ないでしょう。
この重要性を理解していない会社(広告担当者)も多いと感じます。
実際、「なんとなくチラシっぽいレイアウトで完成させるだけ」という感覚でやっている人が多いのではないでしょうか。
いかにもありそうなチラシにするということは、他社と差別化になっていないという事でもあります。
そして、多くのチラシに埋もれてしまうことにもなるでしょう。
まずは、「顧客が思わず見てしまうチラシにするにはどうするか」から考えるべきです。
見てもらえなければ始まらないのですから、何か『目立つ』という工夫が必要です。
その次に「どの物件で問い合わせを狙うか」を考えるわけですが、いきなりここから考えている担当者が多いように思います。
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まとめ
不動産会社の集客方法は、今回ご紹介したものが全てと言っても良いと思います。
ダイレクトメールや無作為の電話営業といった方法もありますが、このような集客方法を採用する企業は少ないからです。
これからは、SNSやブログ等も新しい集客ツールの一つとして検討できる時代かもしれません。
自社ホームページに力を入れるよりは、ブログ等でアクセス数を上げてホームページに誘導する方が簡単かもしれません。
ブログの効果的な運営を含め、集客についてコンサルティングを受けてみるのも一考だと思います。