厚生労働省は、平成26年に労働安全衛生法の一部を改正し、「ストレスチェック制度」についてのガイドラインを定めました。
2020年以降は、コロナの影響もあり、自殺者や鬱病の増加等、統計数値的にも明らかに深刻化しています。
ストレスとの向き合い方は、日々難しくなってきているように思います。
ストレスを自己認知し、怒りの原因等にも意識的に目を向け、正しいマインドにコントロールする考え方を見直していきましょう。
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ストレスと欲求不満
ストレスと欲求不満は、ほぼ同義と言っても良いですよね。
欲求不満という表現は、全てのストレスを含む広い観念と言っても良いかもしれません。
自分がやりたい事が上手くいかないとか、満足感が満たされないこと等による不満が溜まるわけです。
端的に言えば、「自分の思い通りにならない事」に対するストレスですね。
子供の頃は、誰でもTVゲームやスポーツ等で悔しい思いをしたことがあると思います。
この場合、「勝ちたい」というシンプルな欲求が満たされないことから、瞬間的にストレスが発生します。
子供の頃は、このような感情への対処方法を知らないので、泣きべそやイジケるという行動に至るのです。
大人になるのと比例して欲求の種類は増えていき、様々なシーンでストレスを感じるようになっていきますが、段々とストレスへの対応ができるように成長していきます。
また、個人の性格や理性によっても、ストレスへの強さや対応力に差が出てきます。
こうして、いつしか子供っぽい反応をしなくなっていきます。
つまりは、メンタル技術の訓練なのです。
危険な3大欲求
人間の欲求として危険な欲求には、金・食・性に関係する欲があります。
金欲・食欲・性欲については、本能的な欲求に近いので、犯罪にも繋がりやすいストレスです。
出世欲とか、学習欲(向上心)といった2次的なストレス原因とは違い、本能的な部分が満たされないことによるストレスは、理性がきかない行動をとらせる可能性が高くなります。
人生を狂わせるような過ちは、この3大欲求によるケースが多いですから、充分に注意し、きちんとコントロールしなければなりません。
正しい対応策を持ち、常に自己認知することが大切ですよね。
ストレス原因の種類について細分化しておきますので、自分に当てはまるストレスが無いかチェックしながら読んでみてください。
痛みと苦痛
肉体的な痛みを感じている状態も、広い意味では「思い通りにならない」という状態です。
痛みを無くしたいとか、解放されたいという願いが叶わない状態だからです。
また、「痛み」には精神的なものも含まれます。
例えば、人から言われたくないと思う事を聞いてしまう場合も、「痛みと苦痛」によるストレスですよね。
痛みと苦痛がストレス原因である場合、一時的にでもその原因を取り除くか、その対象を無視することが対処法となります。
肉体的な痛みに鎮痛剤を用いるように、精神的な苦痛にも薬に代わる何かが必要なのです。
気持ちの切り替え方を知る事が薬に代わる場合もあるでしょうし、誰かに相談することが薬になるかもしれません。
自分なりに、何か苦痛を和らげるための手段を考えるようにしましょう。
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我慢と忍耐
日本人は、真面目な国民性と文化を持っていますよね。
ですから、気付かずに頑張り過ぎている事も多いのではないでしょうか。
長い期間に渡って我慢するしかない状態が続くと、それはいつしか大きなストレスになります。
このような長いスパンのストレスは、むしろ忍耐に近いものです。
会社に勤める事や、学校へ通う事等、日々の苦痛は我慢できる範囲内だとしても、それが長く続くことでストレスとなっていく事がありますよね。
そんな毎日に慣れる人は良いのですが、ストレスとして蓄積する人は対策が欠かせません。
また、直接的かつ瞬間的に強い我慢をさせられる場面もあるでしょう。
例えば、誰もやりたくないような仕事の担当になってしまったとか、自分の嫌いなタイプの顧客の相手をするといった事です。
自分に対するコンプレックス等も、長い期間に渡って我慢しなければならないストレスと言えます。
結婚生活の中で我慢と忍耐を感じている人もいるでしょう。
小さな事の積み重ねなので、これもまた「思い通りにならない」という広い定義の中に存在するストレスという事になります。
このようなストレスは、基本的に小さなストレスの積み重ねである事が多いですし、社会的に逃れられないストレスである場合も多いでしょう。
しかし、一つ一つが小さなストレスなので、比較的に対処もしやすいはずです。
この小さなストレスを放っておくことが大きな破綻に繋がるのです。
ですから、「ストレス発散が必要ないレベル」等と考えずに、日頃の小さなストレス解消を意識していくことが大事です。
一般的に言われる「ストレス解消」とは、このような継続的で小さなストレスに対するものなのです。
有効な対処法となるのは、思い通りになる事によって代替的に満たされる事です。
カラオケでもドライブでも良いので、空いた時間で自分の好きな事をしましょう。
そして、こう考えてください。
「楽しかったから、これでまた少し頑張れる」
小さなストレスはこうしてリセットし、大きなストレスに変えないように乗り切ることが大切です。
これを怠ると、会社を辞めることになる等、最悪の形でストレスが出ることになりますので、注意しましょう。
自分と相手の理解
人間関係でのストレスを更に細分化していくと、「理解されない」というストレスもあります。
一般的に認識されている人間関係でのストレスとは少し異なり、これも蓄積型のストレスです。
仕事上でも起こり得ますが、家族や恋人に対して発生することが多いストレスです。
つまり、自分が長期的に付き合っていく必要性のある相手に限定して発生するストレスです。
自分にとって必要な存在(相手)である程、理解されない状況はストレスに感じるわけです。
その状況が長く繰り返されることで、ストレスが増幅していく傾向が強まります。
また、何度も同じような事をされると、強いストレスに変化していき、時限爆弾的に内在することもあります。
これは、やがて大きな怒り(ヒステリー)として爆発してしまうわけです。
『自分の考えが理解されない』・『相手の考えが理解できない』というストレスは、長期的な視点で見ると、関係破綻のリスクがあります。
とても厄介なストレスですし、相手に改善を期待できない場合もありますよね。
ですから、相手の気持ちを理解し、寄り添ってあげる優しさや、思いやりの気持ちで乗り切るしかないケースが多いです。
例えば、相手に病気や障害があると知っていれば、腹の立たないこともありますよね。
ですから、気付くことでストレスが軽減する効果は大きいと思います。
相手が子供だとわかっているのに、思わず怒鳴ってしまう等、冷静になれば反省してしまうことがあると思います。
これは、ストレスを爆発させなければ自分の方がおかしくなってしまうという、限界点に近い状態だから起こるわけです。
専門家への相談や、同じ悩みを持つ人との交流によって対処法を身に付け、心のケアをしていく事も大切です。
コロナ渦でのストレス
コロナウイルスによるストレスにも、様々なものが存在していますよね。
特に深刻なのは、経営がままならないストレスとか、いつ感染するか分からない環境下での労働等についてです。
コロナによるストレスについては、ウイルスが消滅しない限り無くなりません。
現実的にそれは難しい状況ですから、自分達のメンタルを強化するしかありません。
正しい対処法を身に付け、できるだけコントロールするしかないのです。
現状、コロナによるストレスは、代替的な方法でしか対処が不可能ですので、休日や就業後の過ごし方がとても重要です。
自分が心地よく感じる場所、満たされるもの等を見つけてください。
一方、経営についてのストレスでは、そんな悠長なことは言っていられませんよね。
厳しい現実ですが、気持ちをコントロールできても、経費が払えなくなれば事業を継続できません。
ですから、経営者の場合、利益を出すための代替案を考案するしかありません。
自分で考えられない人は、良いアドバイザーを探してください。
経営者の悩みに限っては、利益を上げる以外に解決策はないのです。
まとめ
営業職やサービス業は、ストレスが溜りやすい仕事ですよね。
コロナ渦では、医療関係者や経営者のストレスが懸念されています。
まずは、現在の自分のストレスについて、どんな欲求不満から発生したものなのか、細かく自己認識することから始めましょう。
ストレスをコントロールするには、2次的な欲求を満たす事も重要になります。
結局は、根源となっている欲求を満たす必要がありますが、今を頑張るためには代替案も必要です。
何もかも上手くいかない時、追い打ちをかけるような事が起きると、「キレる」と言われる現象が起きてしまうリスクが高まります。
そうなる前に、きちんと心の状態を認識し、適切な対処をしていきましょう。