営業職にも色々な業種があります。
そして、どの業界にも共通するノウハウと、そうではない(各業種による特有のコツ)の部分があります。
この記事では、「営業職」という職業に向いている人についてご紹介したいと思います。
営業職への転向を予定している人は、参考にいていただければと思います。
営業職に向いている人
私は、不動産営業という世界で一定の成功を収めた経験があります。
不動産営業は少し特殊な営業職だと思うので、まずは一般的な営業職全般として共通する部分を中心にお伝えしていきたいと思います。
一般的に、営業職に向いている人というと、社交性とか話の上手さ等がクローズアップされがちですよね。
でも、実際の現場に出てみると、このような部分は決して必須のスキルではないと感じます。
2種類の営業適正
「営業職に向いている人」という意味には、2種類あります。
一つは、成績はともかくとして、長く続けていけるという意味での適性です。
もう一つは、結果を出しやすいタイプという意味での適性です。
敏腕営業として活躍しても、すぐに辞めたくなるようでは「向いている」とは言えないと思うのです。
業種によって、長く続けられるために必要な要素は異なるかもしれませんが、私の経験の中で感じたことだけでもお伝えできればと思います。
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ストレス解消能力
成績を出せるタイプの人について語る前に、まずは営業職を続けていけるタイプについてお話したいと思います。
営業職を辞める人達は、簡単に言えば何かが嫌になったという事ですよね。
つまり、何らかのストレスが飽和状態になったという事だと思います。
逆説的に言えば、ストレスが解消できていれば辞めなかったのかもしれません。
えすから、結果的にストレス解消能力が高い人が向いているという事になると思うのです。
営業職の代表的なストレスは、「ノルマ」と「忙しさ」だと思います。
顧客への気遣いや、上司に対するストレスもあるでしょうが、これは一般企業でも同じだと思います。
営業職特有のストレスという点から考えると、やはりノルマへの重圧が最有力になる気がします。
このようなストレスを「なんとかなるさ」等と楽観的にとらえる事が出来る人は、営業職に向いていると言って良いと思います。
勿論、他のストレス解消法(趣味・メンタルコントロール力等)を持っている人も同様です。
経験上、営業職に向いている人の特徴は、以下のようなイメージです。
- 切り替えが早い楽天家タイプ
- 怒られても気にしない末っ子タイプ
- 自分のやり方を貫く信念タイプ
- マイペースなのんびりタイプ
負けず嫌いとか、努力家が向いているように思われるかもしれませんが、「長く働く」という観点からすると、意外にそうでもないのです。
成績を上げるには必要な要素なのですが、続けていく上ではかえって障害になる事があります。
真面目すぎる人は、責任感やプレッシャーに潰されやすい面もあります。
他者との勝負に負けることも多い仕事なので、勝ち負けにこだわり過ぎる人もストレスが大きくなってしまいます。
意外に、釣りバカ日誌の浜ちゃんタイプが最強なのかもしれませんね。
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能力的な適性とは?
営業職の仕事は、サービスや商品等を顧客に販売し、結果を出すことです。
このような仕事内容において、常に上手くいく人はおらず、必ずスランプのような時期が訪れます。
不調期の原因は、景気等の外的要因による場合もあれば、自分の営業行動が悪いことで起きていることもあります。
私が考える「営業職の適性(向いている人)」とは、このような壁に直面した際に解決策を発見できる人だと思います。
誰かに言われた通りにやり続けて活躍する事も可能でしょうが、これでは「向いている」という事にならないと思うのです。
ですから、営業職に向いている人というのは、探究心とか、向上心を継続できる人だと思います。
人当りが良いとか、話が上手な事も長所にはなりますが、いつかは壁を経験します。
そして、結局は、その壁をクリアする才能が問われることになるでしょう。
困難な局面を打開する力があるからこそ、ノルマに打ち勝つことも可能になるというわけです。
私が考える「営業職に向いている人」の特徴をまとめると、以下のような事になります。

- 継続して営業手法を探究できる
- 打開策への発想力がある
- 継続して行動できる
- 顧客への思いやりがある
笑顔が苦手でも、話が下手でも、これらの要素が備わっている人なら成功できるはずです。
自分の苦手分野があっても、知恵を使えば相殺する方法を発案できるものですよね。
事実、売れている人達を見ていると、どこか隙があるように見える人が多いです。
弱みを見せることでさえも、営業手法の一つだという事だと思います。
業種による適性
営業職は、取り扱う商品の違いに注目するよりも、入口の部分に着目すると良いと思います。
入口というのは、営業をかける際のきっかけ(フック)となる部分です。
例えば、不動産営業の場合なら、広告等を見て問い合わせをして来ることが入口になりますから、受信(反響待ち)の営業になります。
これに対し、新規開拓営業の場合は、店舗や会社を訪問してプレゼンをすることが目標になります。
自分から仕掛けていく攻め(攻撃型)の営業なのです。
受信型と攻撃型では、営業として必要なスキルが異なります。
ですから、営業についての書籍を読む際にも、注意が必要です。
営業職をひとくくりにして書かれているような本は、共通事項しか書かれていない可能性が高です。
では、両者の違いについて、少し詳しく説明していきましょう。
受信型営業
受信型の営業は、問い合わせ等が発生してからの初動が肝心になります。
そして、ヒアリングの重要性が極めて高くなる特徴もあります。
問い合わせして来る顧客を、事前にリサーチすることはできませんので、即時の対応力でどれだけの差が生み出せるかという勝負になることも多いのです。
受信型営業をしている業種の場合、時間の経過と共に営業個人の力の差が広がっていくイメージです。
少しずつリードを広げていく、長距離マラソンのような戦いと言っても良いかもしれません。
要するに、少しの差を積み重ねる事が大切で、地道な努力や行動力が成果に繋がる傾向があります。
営業職に必要な基本適性に加えて、相手を警戒させずにヒアリングができる人が有利です。
攻撃型営業
自分からアクションを起こさなければ、何も発生しないという営業が攻撃型の特徴です。
このような内容の営業職では、少し必要な適性が変わってきます。
受信型の場合よりも、最初の段階で大きく差がついてしまう事が多いのです。
例えば、店舗経営者に自社商品を扱ってもらう為の開拓営業をする場合等、飛び込み営業をするとしましょう。
このような訪問では、門前払いされる可能性が高いですから、いきなり大きな壁が立ちはだかります。
この壁を越えられなければ何も始まらないので、いきなり「営業は難しい」という事になってしまうケースも多いでしょう。
確かに、攻撃型の営業の方が難しいと思います。
しかし、販売する商品の単価は低い傾向があるので、突破口さえ開いてしまえば割と上手く話が進むことも多いでしょう。
つまり、攻撃型の場合、個人の人柄やキャラクターの力が非常に重要になります。
第一印象や訪問のタイミング等も、受信型の場合より大きな要素となります。
訪問先の担当者と仲良くなる事とか、話をしてもらう事が必要なので、その為の知恵を使うことになるでしょう。
まとめ
海外の大学は、入学は簡単だけれど、卒業するのが難しいと聞いたことがあります。
一方、日本の一流大学は、合格するのは難しいけれど、卒業するのはそれほど難しくないと言われますよね。
受信型と攻撃型の違いも、これと似ている部分があります。
受信型は、入口が簡単ですが、そこから先に難しい部分が待っています。
攻撃型は、入口が最も難関で、そこを突破すれば比較的に成果が得られやすいです。
このような業種の違いをしっかりと把握して、自分の営業スタイルに何が足りないのかを考えることが大切です。
今回の記事で説明したような事が出来る人は、基本的に営業職で成功できる人です。
そして、ストレスを溜めず、楽しんで継続していける人は、営業が天職と言って良いかもしれませんね。