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抵当権が得意になる独学無料テキスト

宅建の民法については、効率よく範囲を絞って勉強したいところです。

別記事、「民法の出題予想と、宅建の民法独学勉強法!」の予想内容に沿ってテキストを作成しています。

今回は、抵当権についてのテキストです。

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抵当権とは

抵当権は、簡単な言い方をすれば「誰よりも先にお金を回収できる権利」です。

通常は、お金を借りた人のことを債務者と言います。

そして、お金を貸した人のことを債権者と呼びますよね。

 

大きなお金を借りようとすると、担保が必要になります。

借金が返せなかった時の為に、何かを差し出すことで信用してもらうわけです。

 

抵当権とは、不動産につける担保です。

お金を借りる為に抵当権を付けるので、お金を借りる側(債務者)のことを抵当権設定者と呼びます。

お金を貸す側は、抵当権という権利を持つわけですから、抵当権者となります。

 

住宅ローンを組んで家を買った時を想像してみると、更に理解が早いと思います。

家を購入する人は、銀行からお金を借りますよね。

この場合、購入者は抵当権設定者で、銀行は抵当権者です。

 

複数の銀行から借り入れをした人がいたら、各銀行は抵当権を持つことになります。

抵当権はいくつも設定することができますが、後から設定するほど優先順位が下がります。

 

第373条 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。

 

ですから、複数の銀行からお金を借りる時は、「2番抵当でも貸しますよ」と言ってもらえる銀行を探すことになるのです。

余談ですが、抵当権の順位が下がると、貸す側のリスクが高くなります。

この為、金利が高くなる等、融資条件が悪くなることが多いです。

 

売買の仲介をする際は、両者の間に入ることになりますから、宅建の試験では抵当権についての知識が重要視されているわけです。

 

抵当権の効力

抵当権の効力については、色々なシーンや条件に合せて、細かく決めておく必要があります。

例えば、他の抵当権者との関係性とか、第三者にどのように対抗できるのか等です。

 

難しい表現の条文が多いので、簡略化して説明していきたいと思います。

まずは、条文を掲載し、その下で過去問等を交えて解説していきます。

 

374条

第374条 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。

 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。

利害関係人とは、後順位の抵当権者等の事です。

ポイントは、抵当権設定者の意思は関係ないという点です。

 

平成28年度 出題(正解肢)

【前提条件】

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。

AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。

 

平成13年度 出題(正解肢)

【前提条件】AはBから借り入れをした。Bは抵当権者となり、A所有の甲地と、乙地と、乙地上の丙建物の上に、いずれも第1順位の普通抵当権(共同抵当)を設定し、その登記を経た。その後甲地については、第三者に対して第2順位の抵当権が設定され、その登記がされた。

Bと、甲地に関する第2順位の抵当権者は、合意をして、甲地上の抵当権の順位を変更することができるが、この順位の変更は、その登記をしなければ効力が生じない。

 

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第375条

(抵当権の被担保債権の範囲)

第375条 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。

 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。

趣旨を含めて説明していきますね。

この条文では、利息と定期金と損害賠償の請求権についてクローズアップしています。

利息部分等については、一定の回収制限をかけて一般債権者の保護をしているわけです。

一般債権者というのは、お金を貸した債権者で担保を持っていない人の事です。

 

満期という言葉が出て来ますが、これはローンの満期ではありません。

抵当権の満期のことで、つまりは強制競売にかけられる時の事です。

言い換えれば、競売にかけられるまでの2年前まで遡って利息等を回収できるということです。

 

抵当権者は「元本+(最後の2年分の金利・定期金・損害賠償)」だけは優先回収できますが、それ以外のお金は他の債権者達が按分比例で分け合えるようにしているのです。

営業マン
過去問をチェックしてみましょう

平成13年度 出題肢(正解肢)

前提条件:Aは債務者(抵当権設定者)、Bは抵当権者

Bは、Aの本件借入金債務の不履行による遅延損害金については、一定の場合を除き、利息その他の定期金と通算し、最大限、最後の2年分しか、本件登記にかかる抵当権の優先弁済権を主張することができない。

 

376条

(抵当権の処分)

第376条 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。

 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。

 

抵当権は、他の債権者の利益のために順位を譲渡することができます。

譲渡後は、抵当権の順位が入れ替わるということです。

 

また、放棄をした場合、抵当権の順位を失うことになります。

つまり、放棄をした相手(債権者)と同一順位になり、按分比率で権利を受けることになります。

 

営業マン
過去問をチェックしてみましょう

平成10年度 出題(正解肢)

前提条件:AはBから借金をしている。

Bは、第三者Fから借金をした場合、Aに対する抵当権をもって、さらにFの債権のための担保とすることができる。

 

平成18年 出題(正解肢)

【前提条件】

Aは、Bから借り入れた2,400万円の担保として甲土地に第一順位の抵当権を設定。

Aは、さらにCから1,600万円の金銭を借り入れ、甲土地に第二順位の抵当権を設定。

 

抵当権の実行により甲土地が競売され3,000万円の配当がなされる場合、BがCに抵当権の順位を譲渡していたときは、Bに1,400万円、Cに1,600万円が配当され、BがCに抵当権の順位を放棄していたときは、Bに1,800万円、Cに1,200万円が配当される。

放棄により、BとCが同一順位になった場合、2400:1600の比率で権利を按分することになります。

この比率は、3:2まで小さくすることができますよね?

計算が苦手な人は、両方を2で割り続けてみて下さい。

 

3,000万円を3:2で分けます。

すると、1,800万円と1,200万円になり、正しい肢であることが分かります。

計算が苦手な人は、こう考えてください。

3:2に分けるには、5等分して3と2に分ければいいですよね?

ですから、(3,000÷5)×3=1800と求めれば良いのです。

 

(代価弁済)

第378条 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

 

平成27年度の試験では、この条文がほぼそのまま出題されました。

ポイントは、物件を買い受けた第三者のために消滅する点です。

新たな持ち主の権利を守るためであって、借入者を救済する趣旨ではありません。

 

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379条~383条

(抵当権消滅請求)

第379条 抵当不動産の第三取得者は、第383条(請求の手続)の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

 

第380条 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

 

第381条 抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができない。

 

抵当権が付いた不動産を取得した人は、請求手続きを経れば抵当権の消滅を要求できます。(自分が適当だと認められる金額を債権者に呈示し、支払いをすれば消滅)

借金をした本人ではないのに、いつ競売にかけられるか分からない状況を自力解消する道をつくっているわけです。

 

この、抵当権消滅請求は、第三取得者に与えられた手続きなので、債務者本人等から請求することはできません。

 

また、「ある条件を満たしたら購入する」等の停止条件が付いている場合、まだ第三取得者になることが確定していませんから権利の保護をするには早すぎますよね。

ですから、停止条件付第三取得者は、抵当権消滅請求権できないことになっています。

 

(抵当権消滅請求の時期)

第382条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

営業マン
条文そのままの意味ですので、説明を省きます。

 

(抵当権消滅請求の手続)

第383条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。

 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面

 抵当不動産に関する登記事項証明書

 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面

 

抵当権消滅請求は、登記されている債権者(抵当権者)に書面で行います。

また、2カ月以内に抵当権の実行がなければ、提案した金額を承諾したものとみなし、同額を支払う事で弁済完了となります。(第384条)

宅建の試験では、手続きが書面で行う必要があるという位までの知識でOKだと思います。

 

営業マン
過去問での出題をみておきましょう

平成21年度 出題(正解肢)

抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。

 

第384~386

(債権者のみなし承諾)

第384条 次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。

 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。

 その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。

 第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。

 第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定が確定したとき。

ここは、試験で問われるとは思えませんが、念のため掲載しておきました。

ざっと目を通すだけで良いと思います。

 

(競売の申立ての通知)

第385条 第383条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、前条第一号の申立てをするときは、同号の期間内に、債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。

 

2カ月以内に競売をするのですから、債務者本人と抵当不動産を取得した人に通知するのは当然ですよね。

 

(抵当権消滅請求の効果)

第386条 登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。

 

これも当然な事ですので、特に説明はいらないと思います。

当然の事でも記載しなければ「ルールが無い状態」になってしまうからだと思ってください。

 

第387

(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力)

第387条 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。

 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。

 

抵当権よりも後に設定された賃借権に対抗力を持たせる方法を定めています。

要するに、抵当権者の同意をもらって賃貸借の登記をすれば、先に登記している抵当権者に対抗できるという事です。

この同意は、同意によって不利益を被る者の承諾を得なければなりません。

営業マン
出題しにくい内容なので、ここも読むだけでOKだと思います。

 

第388条

(法定地上権)

第388条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

 

平成14年度、平成18年度には、誤った肢として出題された条文です。

その後、平成21年度に少し高度な出題がされています。

ここは、正解肢をそのままテキストにすると良いと思います。

 

平成21年度 出題(全て正解肢)

※法定地上権に関する民法の規定、判例及び判決文を読んで正誤を問う形式

(判決文)
土地について1番抵当権が設定された当時、土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより1番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しないものと解するのが相当である。

  • 土地及びその地上建物の所有者が同一である状態で、土地に1番抵当権が設定され、その実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

 

  • 更地である土地の抵当権者が抵当権設定後に地上建物が建築されることを承認した場合であっても、土地の抵当権設定時に土地と所有者を同じくする地上建物が存在していない以上、地上建物について法定地上権は成立しない。

 

  • 土地の所有者が、当該土地の借地人から抵当権が設定されていない地上建物を購入した後、建物の所有権移転登記をする前に土地に抵当権を設定した場合、当該抵当権の実行により土地と地上建物の所有者が異なるに至ったときは、地上建物について法定地上権が成立する。

 

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第389条

(抵当地の上の建物の競売)

第389条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。

 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。

抵当権は、万が一の時に債権者がお金を取り戻すためのものですから、抵当権設定後に建物を建てた事によってこれが実行できなくなると、抵当権をつけた意味がなくなってしまいます。

抵当権に対抗できる権利がある場合を除き、土地部分の売却ができるようになっています。

 

営業マン
過去問を見ておきましょう

平成27年度 出題(正解肢)

土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

 

第390~393条

(抵当不動産の第三取得者による買受け)

第390条 抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができる。

営業マン
誰でも競売の買受人となれると思っていればOKです。

 

(抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求)

第391条 抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、第196条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる。

 

(共同抵当における代価の配当)

第392条 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。

 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができる。

 

例えば、貴方がお金を借りて、貴方が所有する複数の不動産に抵当権が設定されたとします。

この状態が、「債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合」です。

この条文では、この複数の不動産のうち、全部又は一部を売却して代価が発生した場合のことを定めています。

 

特定の抵当不動産だけを売却する場合、優先順位を持つ抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けられます。

残りの抵当不動産については、後順位の抵当権者にその債権の範囲で代位行使を認めています。

宅建試験においては、按分計算をさせる問題までは出題されないと思いますので、過去問のレベルまで理解しておけば十分です。

 

(共同抵当における代位の付記登記)

第393条 前条第二項後段の規定により代位によって抵当権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を付記することができる。

営業マン
392条の過去問です

平成13年度 出題(正解肢)

【前提条件】

Aは、Bから3,000万円の借金をし、その借入金債務を担保するために、A所有の甲地と、乙地と、乙地上の丙建物の上に、いずれも第1順位の普通抵当権(共同抵当)を設定し、その登記を経た。その後甲地については、第三者に対して第2順位の抵当権が設定され、その登記がされた。

甲地のみが1,500万円で競売され、この代価のみがまず配当されるとき、Bは、甲地にかかる後順位抵当権者が存在しても、1,500万円全額(競売費用等は控除)につき配当を受けることができる。

ちょっと難しく見える問題ですが、条文の意味をしっかり理解していれば解けるはずです。

 

第394条~395条

(抵当不動産以外の財産からの弁済)

第394条 抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。

 前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。

 

この条文は、抵当不動産以外の財産に対する取り立ては、一般債権者と抵当権者が対等な関係になるように調整する意味があります。

抵当権者が一般財産に手を付けるなら、まずは抵当不動産を売却した代価を受け取り、それでも不足した分だけ一般財産から回収するようにしなさいと言っています。

 

(抵当建物使用者の引渡しの猶予)

第395条 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

 競売手続の開始前から使用又は収益をする者

 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者

 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。

 

要するに、建物を使用している賃借人を保護しています。

競売の開始前から抵当建物を使用収益している者等については、たとえ登記をしていなかったとしても、買受人が建物を買い受けた時から6箇月間は、引渡しを拒めると規定しています。

半年あれば、次の住まいも見つけるのに十分ですし、それ以上保護すると、買受人の利益を害してしまうという事です。

 

第396条

(抵当権の消滅時効)

第396条 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。

 

お金の賃借権と、抵当権は、本来は別の権利ですよね?

でも、これらが別々に消滅するのはおかしいので、二つ同時でなければ消滅しないと規定しています。

誤った肢として出題された事がある部分なので、今後も別の形で出題される可能性があります。

 

第397~398条

一応、掲載はしておきますが、397条と398条は、少し解釈が難しい部分です。

宅建の試験には出題の可能性が低いと思いますので、条文の存在を確認しておく程度で十分だと思います。

 

(抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅)

第397条 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。

 

(抵当権の目的である地上権等の放棄)

第398条 地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。

 

まとめ|勉強のコツ

宅建の試験で出題される民法は、司法書士や行政書士等に比べるとかなり簡単です。

理由は、条文の理解を試すだけのレベルで出題される事が多いからです。

判例や応用問題等を勉強しなくても、きちんと得点できる部分をつくっています。

 

ですから、大事なのは、頻出している部分を集中して学ぶ事です。

そして、頻出している部分は、不動産業務に関係が深い部分でもあります。

条文になぞって学習できるように作成しましたので、出来る限り読み込んで本番に役立ててくださいね。

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