今回は、シンプルに、記事の内容をそのままタイトルにしてみました。
建売住宅について、色々と情報を集め始めた人達に有益な記事になればと思います。
要するに、これから住宅を購入する人達に向けたお話です。
不動産営業(プロ)の目線から、建売住宅のメリット等について解説し、注文住宅との違いについても言及しておきますので参考にしてください。
建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅とは、不動産業者が土地を購入し、その土地に自社の建物を建てて販売する住宅の事です。
土地だけ購入して、建築は外注で菅地区をするという会社も多いです。
年間着工数の多い建築会社はコスト削減効果が大きい為、建物を安く建てられるようになります。
こうしてコスト削減できた分は、土地仕入の資金に充てることができるので、良い土地が手に入りやすくなるという好循環が起きる仕組みです。
結果、良い土地は、建物コストの低い会社が買い占める格好となります。
一般向けの土地物件に比べ、建売住宅には好条件の物件が多いのは、このような事情が関連しています。
建物物件の仕様と間取りは、売主が決定して販売します。
ハウスメーカーの場合、その土地に合った建物をオーダーメードするようなものです。
建売に比べて高級感がありますが、デザイン性や高級感が求められるので、単価の高い建材を使う傾向があります。
当然ながら、その分だけ坪単価は高くなり、建物価格は高額になります。
建売住宅と同じ建物をハウスメーカーで建築した場合、建物価格は500~800万円程度高くなることが多いです。
その代わり、自分の好きな間取りにすることが出来ますし、特殊な要望も叶います。
但し、要望が増える度に建物の金額も上がっていきます。
建売住宅の寿命
「建売住宅の寿命と、ハウスメーカーの寿命は違うの?」
そんな疑問を持たれている方もいるのではないでしょうか。
実は、この質問に対する答えは、少し難しい部分があります。
ハウスメーカーの場合、軽量鉄骨の構造体を採用しているメーカーもありますよね。
これに対して、建売住宅の場合は殆どが木造です。
仮に、同じ木造建築物として比較をしたとしても、工法や金物の使用量等が異なる為、比較が難しい面があります。
それに、柱の太さや筋交いの数等でも多少の違いは出てきます。
ハウスメーカーの場合、建築基準法で求めている強度以上の躯体になっている場合があるわけです。
これに対して、建売住宅は、建築基準法上で求められている基準をクリアしていれば、それ以上の過剰な強度を求める事は稀です。
このような違いが、建物の寿命にどの程度の影響を及ぼすかは、不透明な部分が多いです。
一般的に、建売住宅の寿命は、30~40年と言われます。
メンテナンス次第では、もっと長く住んでいる人もいるでしょう。
あるハウスメーカーでは、60年住める家を基準にしているそうです。
結論としては、使っている建材の質等も高いので、基本的にはハウスメーカーの方が寿命が長いと考えて良いと思います。
しかし、メンテナンス費用も高額なので、コストパフォーマンスでの比較は非常に難しいです。
スポンサーリンク
建売住宅のメリット
相続等で発生する大きな土地案件は、個人では購入できない金額での取引となります。
これを購入できるのは、上場企業等の資金力がある会社です。
このような会社が、土地を綺麗な街並みに区画整備し、南道路の整形地等を造り出すわけです。
このように、誰もが欲しがるような価値の高い土地は、建売物件だからこそ手に入るという側面があります。
建売住宅を購入する最大のメリットは、このような「良い土地を安く手に入れる事ができる」という部分にあります。
土地物件を探したことがある人ならわかると思いますが、良い土地物件は本当に少ないのです。
また、建物についてもかなり割安に購入していることになります。
大手の建売物件の建物は、大量仕入によるコスト削減効果の恩恵を受けている為、注文で同じものを建築するとかなり高いものになります。
建物が割安で購入することも大きなメリットの一つというわけです。
その他、建売のメリットと言えるのは、工期です。
似たような建物を建築し続けている職人さん達なので、工期が短くできます。
顧客の都合や、仕様打合せ等の時間を取られないので、注文住宅よりも完成までのスピードが早いです。
選べる住宅の数が多いことも、メリットの一つと言えると思います。
関連記事
-
建売の価格交渉の裏事情を教えます
建売住宅の取引時には、必ずと言って良いほど価格交渉の場面があります。 この時、不動産営業マンには、顧客側からは見えない売主とのやりとりがあります。 この記事では、裏側から見た不動産営業マンの動きと、価 ...
建売住宅の諸費用
建売住宅を購入する際の諸費用は、主に登記費用と仲介手数料です。
※ 住宅ローンの諸費用は除く
ハウスメーカーの場合、建築主との請負契約ですので、仲介手数料がかかりません。
建物は高いのですが、諸費用は安いわけです。
不動産屋に支払う仲介手数料は、物件価格の3%+6万円が速算式です。
結構な額になりますから、仲介手数料の発生は、建売住宅のデメリットと言えるかもしれませんね。
しかし、その分、ハウスメーカーは建物価格が高額になりますので、金額差で比較すると建売の方が割安感で上回ることが多いでしょう。
また、建売住宅においても、売主物件等については仲介手数料がかかりません。
最近では、売主物件ではなくても仲介手数料を無料にする不動産業者もいます。
興味のある方は、参考記事をご覧ください。
参考記事
建売のデメリット
良い部分ばかりを論じるのはフェアではありませんよね。
建売のデメリットについても、ご紹介しておく方が良いと思います。
一番のデメリットは、注文住宅よりも設備の品質やグレードが低い事です。
建築基準法には違反していないものの、断熱材等はかなり性能差があります。
しかし、その分価格も安いので、ある意味では相殺されているとも言えるデメリットです。
また、仲介手数料が発生することもデメリットと言えます。
売主から直接買えば仲介手数料はかかりませんが、建売には売主が直販をしないケースも多いのです。
仲介手数料を払ったとしても、トータル価格は注文住宅よりは安い傾向がある為、何とも言えない部分です。
それと、「物件を選ぶ時間が少ない」という面もデメリットだと思います。
つまり、建売住宅は多くの人達との買い物競争でもあるという事です。
欲しい物件でも、迷っているうちに誰かに買われてしまうリスクがあります。
注文住宅にはこのような心配がありませんので、意外に大きなデメリットかもしれませんね。
まとめ
建売住宅は、なるべく棟数実績が多い会社を選ぶと、メリットが大きくなることが多いです。(設備や建物仕様等)
家探しをするエリアに良く出る建売業者を教えてもらい、気に入った会社の物件だけを見ていく人もいます。
最近では、自社物件の特徴を出す為に、色々な付加価値をつける会社が出て来ています。
各社の特徴等も良く勉強すると、より良い住宅購入が実現できると思いますよ。
参考記事
-
建売住宅の分譲シリーズ名と建築会社の業界評判
東京、神奈川、埼玉周辺で販売される建売住宅は、同じような建築会社(パワービルダー)が建てていることが多いです。 パワービルダーと呼ばれる建築会社では、この分譲地に横文字の名前を付けてシリーズ化していま ...