建築基準法

宅建独学用 無料テキスト|建築基準法 ⑥

この記事は、「無料テキスト 建築基準法 ⑤」の続きです。



建築物の敷地面積

都市計画で、建築物の敷地面積について最低限度が定められることがあります。

その際には、最低限度とされた面積以上の大きさで建物を建築しなければなりません。(第52条2)

 

最低限度の指定には、土地を小さく分割することを防ぎ、小さい建物を建てさせないようにする効果があります。

建売業者等が土地を手に入れた際、狭小住宅ばかり建てられると密集地が増えてしまうので、予め建築できないようにしているわけです。

但し、これにも以下の例外があります。

  • 建蔽率の限度が80%の防火地域内にある耐火建築物
  • 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの
  • 周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物で、特定行政庁が許可したもの
  • 特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

ポイント

最低限度を定める時は、200㎡を超えてはならないことになっています。

 

外壁の後退距離

H30改正

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地、田園住居地域内においては、都市計画によって建物の外壁後退距離が定められる場合があります。

上記3つ以外の地域では定められませんので、ひっかけ問題に注意しましょう。

 

正確には、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離です。

これが定められる場合、外壁の後退距離は、1.5m又は1mのどちらかになります。(第54条)

補足

平成30年改正により、田園住居地域が追加されたことから、しばらくは出題への警戒が必要になりそうです。

 

建築物の高さ

H30改正

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地、田園住居地域内においては、建築物の高さは10m又は12mのどちらかにし、それを超えてはなりません。

12mに指定する場合には、政令で定める敷地面積と空地を有し、その地域の環境を害さない場合という条件が付いています。

ですから、基本的には絶対高さは10mと定められる事が多くなります。

 

また、学校等の建築物を予定する場合等、やむを得ないと認めて特定行政庁が許可した場合は、この条文を無視できるようにしてあります。(第55条)

 

日影による中高層建築物の高さ制限

一般的には、「日影規制」と呼ばれる条文です。(第56条の二)

背の高い建物は日陰をつくりますので、建物の形状をコントロールして、周辺の住居への影響を軽減させようとするものです。

具体的には、建築物によって日影が生じる時間の限度を決めています。

 

まず、日影規制で覚えておきたいのは、高さ10mを超える建物は、どんな地域でも日影規制の対象になり得るという事です。

商業地域、工業地域、工業専用地域については、基本的には規制対象から外れていますが、高さ10mを超えると規制要件が発生します。

 

次に覚えなければいけないのが、以下の2つのルールです。

  • 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居専用地域、用途地域の指定がない地域では、「軒の高さが7mを超える建物」は日影規制の対象になる。
  • 3階建以上の建物」は、日影規制の対象になる。

ポイント

軒高7m超えで日影規制になる地域は、元々高い建物が建てられない地域です。

このような場所では、高さ10m以下でも建物による日影の影響が大きいので、少し規制を厳しくしていると考えてください。

単純な暗記よりも、理屈で覚えましょう。

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日影規制の緩和

建築物の敷地と、隣地との関係性を考慮して緩和措置がとられる場合があります。

具体的には、道路、河川、線路等に隣接している場合です。

道路や河川等は、日影がかかっても人への影響が少ないので、そちら側への規制が緩和されるという事です。

 

また、隣地の方が高い位置にある(高低差が1m以上ある)場合、隣地の方が日影を発生しやすい状況ですよね?

このような場合も、日影規制の緩和措置が適用されます。

 

斜線規制

建築基準法 第56条では、「建築物の各部分での高さ」と題して、斜線規制について定めています。

宅建士よりも、むしろ設計の仕事をする人達に重要な部分ですが、試験範囲なので勉強するしかありません。

ちょっとわかりにくい部分ですが、なるべく簡単にして説明します。

 

斜線制限と言うのは、空中に見えない線を引き、その線に屋根等が当らないように建築させるものです。

その見えない線の引き方について、掛率等を定めていると思えば良いのです。

 

具体的には、道路の境界線や隣地の境界線からの距離に応じて、見えない線(斜線)の角度を導き出します。

この斜線からはみ出さないように建築をすることで、理想的な風通しや日当たり等を確保する目的があります。

 

斜線規制には、3つの種類がありますので、それぞれ説明していきます。

 

道路斜線規制

前面道路を渡った側の境界線から、建築物の屋根方向に向かって見えない線を引いていくイメージです。

これは、透明な階段を想像すると分かり易いです。

その、透明の階段の踏みしろの奥行と、1段当りの高さを数値化して法律で定めています。

 

例えば、踏みしろが1mの奥行で、段差が1.5mの透明階段に、大きな板を立て掛けたとします。

この時、立て掛けた板の角度が「道路斜線」になります。

この板に建物が当らないように建築をすることで、道路への風通しや日当たりを確保できるというわけです。

道路斜線は、全ての用途地域で適用されます。

 

隣地斜線規制

隣地斜線制限とは、北側以外の土地(隣地)に対して日当たりや風通しを確保するための規制です。

道路斜線の場合と同じように、目に見えない線を引いて考えるところは同じです。

線の角度が異なるだけだと思えば良いと思います。

 

隣地斜線規制は、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域と田園住居専用地域には適用されません。

低層系と田園地域には適用されない」と覚えましょう。

 

隣地に対しての配慮が必要になるのは、建物が隣地に近い場合ですよね?

低層系の地域では、元々建蔽率が小さいく設定されていますから、比較的距離が離れています。

それに、絶対高さ(10m又は12m)の制限もあります。

この為、元々が隣地との間に十分な空間が隔てられている地域は対象外なのだと考えれば良いと思います。

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北側斜線規制

自分の家の南側が開けていたら、日当たりが良くなりますよね?

そして、自分の家の南側は、南隣地から見れば「北側」になります。

 

つまり、皆が北側に高い建物を造らなければ、誰もが日当たりの良い家を持てます。

そこで、北側に見えない線を張り、これに建物がかからないようにする事で、北側隣地の日照を確保するようにしたのが北側斜線規制です。

 

北側に道路がある場合、道路斜線北側斜線の両方がかかる場合もあります。

このような場合には、制限の厳しい方が優先されます。

北側斜線が存在する理由からも想像できると思いますが、北側斜線規制は「住居」という文字が入っている用途地域だけが対象になります。

 

完全に真北を向いている物件は滅多にありませんから、実際には北側斜線は二方向に及びます。

ですから、該当する二方向に対して検討が必要になります。

 

北側斜線の例外

北側斜線には、いくつか覚えておかなくてはならない例外があります。

【例外1】

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域で、日影による中高層の建築物の高さの制限(日影制限)がある場合には、北側斜線規制は適用されません。

 

【例外2】

天空率(建物と空の比率)という緩和条件を満たした時には適用されません。

建物が北側又は道路斜線にかかっていても、天空率の観点から日照等に支障が無いケースを認めています。

設計士にとっては計算が面倒になる話ですが、都市部では救済される建物も多いので、大変有意義な制度です。

 

【例外3】

都市計画によって高度地区が定められている場合は、北側斜線規制は適用されません。

 

都市計画法を勉強した人は理解できると思いますが、都市計画はその地域で必要な細かい規定をするための法律です。

これに対して、建築基準法は建物全般についての法律ですから、都市計画で定めたものがあればそちらを優先するのが自然ですよね?

一般法と特別法の関係と同じで、特別につくった法律は優先しなければ意味がありません。

 

この為、高度地区の指定によって高さ制限がかけられた地域については、そちらの規定を優先します。

高度地区が定められていない自治体の場合に、北側斜線制限が適用されると考えてください。

 

斜線のスタート位置

北側斜線で斜線(透明な階)を想定する場合、スタート地点にルールがあります。

低層住居専用地域の場合、始点となる境界位置から垂直に5mの位置から計算します。

中高層住居専用地域の場合は、垂直に10mの位置からと決められています。

高度地区の指定があると、これが数種類に分類されます。

 

ポイント

斜線規制のポイントは、どの地域に何の規制が該当するかを判別できるようになることです。

北側斜線については、洗濯物が干せるようにする必要がある地域だけ該当するイメージを持つと良いかもしれません。

簡単に言えば、北側隣地の洗濯物が良く乾くようになる規制だからです。

北側斜線という言葉と、洗濯物のイメージを結合させてしまいましょう。

重要事項説明書を作成する際にも常に役立つ知識ですので、ここはしっかり覚えておいた方が良いと思います。

 

その他の最高限度

特例容積率適用地区や、高層住居誘導地区内で、建築物の高さの最高限度が定められたときは、その最高限度以下の建物にしなくてはいけません。

但し、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したものについては例外になると覚えておけば十分です。

 

まとめ|勉強のコツ

今回の内容は、かなり出題の可能性が高い部分です。

少しややこしい部分も多かったかもしれませんが、ここは頑張って覚えて下さい。

丸暗記できればそれでもOKですが、規制の趣旨を理解することでイメージすることができる部分も多かったと思います。

暗記だけに頼らずに、バランスよく知識を身に付けるのがコツだと思います。

宅建独学用 無料テキスト|建築基準法 ⑦

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