不動産売買の仕事では、直前で契約がキャンセルされる事が結構あります。
不動産は、金額的に大きな買い物ですから、迷いも生じやすいという事でしょう。
しかし、ベテラン営業になると、このような事は少なくなります。
この記事では、契約が崩れる際の原因とプロセスについて説明していきます。
契約が崩れる原因
契約が崩れるのは、顧客が何かに不安を感じたからです。
必ず、何らかのリスクが関係しています。
そして、このリスクは、不動産営業の力不足によって消せなかった場合も多いのです。
リスクを回避するには、先回りする能力が必要になります。
しかし、経験に乏しい新人営業には、少し難しい部分もあるでしょう。
先の展開を読んで、事前に対処していくには、多少の経験が必要という事です。
これを補うには、できるだけ先輩達の話を参考にしておくしかありません。
プロセスの欠如
契約に至るには、必ずクリアしなければならないプロセスがあります。
詳しくは別記事で紹介していますので、ここでは簡単に触れるだけにしておきますね。
簡単に言えば、担当営業は、契約に至るまでの間に全てのリスクを潰せば良いのです。
顧客が感じるリスクを、思い付く限り思い描いてください。
そして、それを解消するための方法を考えましょう。
それたのリスクが全て解消された時、契約は崩れなくなります。
プロセスの欠如があると、契約は崩れやすくなります。
たった1つの欠如でも、必ずその芽は出てきます。
契約が崩れなくても、トラブルに発展する原因となることが多いです。
新人営業は、摘まなければならない芽を見落とさないように気を付けましょう。
参考記事「建売住宅の購入リスクを軽減させる方法」
不動産営業の失敗
契約が崩れるような失敗には、2種類あります。
1つは、顧客を怒らせてしまうような、根本的なミスによる失敗です。
もう1つは、先程の説明にもあったように、プロセスの欠如による失敗です。
プロセスの欠如の場合、営業本人も失敗に気付いていない場合が多いです。
背中に爆弾を背負ったまま歩いているような状況なのですが、本人は平然としているのです。
「崩れそうな契約だなぁ・・」と思って見ていると、案の定キャンセルになります。
このような結果になってしまうのは、上司の力不足ですね。
大丈夫のつもりが危険
契約予定が入ると、とても嬉しそうにする営業マンがいます。
でも、契約が完了するまでは、喜ぶのは早すぎます。
「絶対に大丈夫です」と自信満々に喜んでいる営業マンが、契約をキャンセルされる姿を何度も見たことがあります。
本人は、何も問題を感じておらず、堅い契約だと思っているのです。
このような失敗を防ぐには、「何故、契約が崩れたのか」という事をきちんと学ばなくてはいけません。
自分以外の営業マンの契約が崩れた際にも、詳しく話を聞いて学習させてもらうと良いと思います。
本人が気付いていない場合もありますので、ベテランにどう思うかを聞いてみる事も忘れないようにしましょう。
顧客の不安
新人営業は、顧客がどんな事に不安を感じるのか想像がつかないかもしれませんね。
契約が崩れる理由として、代表的なものをいくつかご紹介しておきますので、頭の中でイメージしてみてください。
重要なのは、その問題をどのように解消するかです。
暇さえあれば、そんな事を考えているのが当初の仕事です。
以下のような不安について、具体的な解消方法がすぐに思いつく人は中級者と言って良いでしょう。
- この物件で良いのかという不安
- 住宅ローンの支払いへの不安
- 家族等に反対されることでの不安
- 騙されているのではないかという不安
- 売主の施工レベル等、建物への不安
- 手続等がよくわからない事への不安
不安解消のセオリー
契約までには、色々なリスクがあります。
慣れてくれば、リスクに対する解決方法が瞬間的に思い浮かぶようになります。
中級レベルの営業であれば、誰でもすぐに思い付くはずです。
そして、中級者と上級者の違いは、その解決方法のレパートリーとタイミングにあります。
リスクの解消方法には、セオリーのようなものが存在します。
まずは、基本的な解決方法を学ぶことが大事だと思います。
その上で、貴方だけの方法を見つければ良いと思います。
結果的にリスクが解消できれば、その方法は決められたものでなくても良いからです。
まとめ
自分なりのリスク解消法を考案し続け、絶妙なタイミングでクリアしていけるようになると、いよいよ上級者です。
年収としても600万円を超えるレベルになっているでしょう。
契約が崩れる原因は、顧客のリスクが解消できていない事にあります。
また、顧客が抱えるリスクは、相手によっても内容が異なる部分もあります。
それぞれの顧客の気持ちを掴んで、プロセスの欠如が起きないように努めましょう。