宅建無料テキスト 建築基準法

宅建独学用 無料テキスト|建築基準法 ②

この記事は、「無料テキスト 建築基準法 ①」の続きです。

 



 

敷地の衛生と安全

今回は、建築基準法 第19条の規定からです。

勉強の優先度としては、読んで「そうなんだ」と理解する程度で良いと思います。

建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。

ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りでない。

 

敷地が道路より下の位置だと、水が溜まりやすいですから、排水に問題が無ければ建てても良いですよって事が書いてあります。

また、建築物は周囲の土地よりも高い位置でないと、窓を開けた時に風通しが悪いですよね?

でも、その程度の湿気が問題無い用途であれば、建てても良いですよって事です。

 

また、建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又は溜め枡(ます)その他これらに類する施設をしなければならないとされています。

そして、建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければなりません。

 

構造耐力

建築基準法 第20条では、大きな建物の構造耐力について定めています。

高さが60メートルを超える建物と、60メートル以下の建物で少し規定を変えていますが、この違いは今の時点ではあまり気にしないでおきましょう。

過去問で出て来たときに細かい部分を覚えれば良いと思います。

 

ここで言っているのは、建物の重さ、積載荷重、積雪、風圧、土圧、水圧、地震等の衝撃に対して安全な構造基準を満たしなさい、ということです

建築物が一定の大きさになる場合は、倒壊などによって人に危険が及ぶ可能性がありますから、少し厳しい基準にしているのだと理解しておけば十分です。

 

ポイントとしては、「構造計算」がいるかどうかです。

構造計算というのは、設計士によって建物の構造耐力を計算して、法律が定める基準に適合している事を確認する計算です。

 

例えば、3階建以上の建築物は構造計算が必要になります。

この3階建住宅等の事を、法令の言い回しで表現するとこうなります。

高さが六十メートル以下の建築物のうち、第六条第一項第二号に掲げる建築物(高さが十三メートル又は軒の高さが九メートルを超えるものに限る。)又は同項第三号に掲げる建築物(地階を除く階数が四以上である鉄骨造の建築物、高さが二十メートルを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物その他これらの建築物に準ずるものとして政令で定める建築物に限る。)

すごくわかり難いですよね。

要するに、高さ13mか、軒高9mを超えると構造計算が必要なわけです。

3階建住宅の時点でこれに該当するので、実務の現場では「3階建は構造計算が必要」と覚えさせられます。

補足

60m以上とか、高さが20メートルを超える鉄筋コンクリート造等の建物の事も、同条に記載があります。

でも、高さが13m超えている時点で構造計算が必要だと判断できますので覚える必要はありません

 

構造計算のまとめ

試験対策として、構造計算が必要な建築物を暗記しやすい形にしておきます。

以下の条件に当てはまる建築物は、構造計算が必要になる表現になっています。

  • 木造3階建以上
  • 木造で延床面積が500㎡を超える
  • 木造以外で2階建以上
  • 木造以外で延床面積200㎡を超える
  • 高さが13mを超える
  • 軒の高さが9メートルを超える

普通の2階建住宅の延べ床面積は、100㎡前後が平均的な広さです。

ですから、木造で延床500㎡を超えるのは3階建以上の場合か、巨大な建物の場合です。

木造以外の場合でも、延床200㎡を超える建物は、かなり大きなサイズです。

 

木造の3階建住宅は、建売物件でもたくさんありますよね。

あの高さで大体10m弱です。軒高も9m弱になることが多いです。

つまり、軒高9m以上の建物というのは、4階建以上の建築物になる可能性が高いのが想像できます。

このように、建物の大きさのイメージで覚えておくと暗記しなくても正解が導き出せるかもしれませんね。

補足

設計士に聞いた話ですが、鉄骨造で斜材を設けていない構造になる場合、面積に関係なく構造計算が必要となる場合があるそうです。(ラーメン構造等)

この為、木造以外で延床200㎡を超えない場合でも構造計算が必要になる場合があるということになり、出題がしにくい事情があると思います。

ですから、確率論的な観点で無駄を省いた覚え方をするなら、赤文字だけを覚えておくのも手だと思います。

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第21条

2019年試験の改正ポイント

大規模の建築物の主要構造部等

次の各号のどれかに該当する建築物のは、その主要構造部を通常火災終了時間が経過するまでに必要とされる性能に関して、政令で定める技術的基準に適合し、国土交通大臣が定めた構造方法又は認定を受けたものとしなければなりません。ただし、その周囲に延焼防止上有効な空地で、政令で定める技術的基準に適合するものを有する建築物については除きます。

一 地階を除く階数が四以上である建築物

二 高さが十六メートルを超える建築物

三 特殊建築物で、高さが十三メートルを超えるもの

 

屋根・外壁等の規定

第22~第41条付近

建築基準法の中で、屋根や外壁の性能や構造について定めている部分があります。

その他、細かな設備に関する考え方も定められています。

 

この部分については、暗記よりも思考力で勝負したほうが良い部分だと思います。

本試験で確実に40問以上の正解を目指す人は別として、39問前後を目指す場合には、この程度の理解と過去問での学習で十分だと思います。

建築基準法上で定めていそうな事は○、定めていないだろうと思う事は×と判断するのがコツです。

 

例えば、火災を想定して、火の粉による火災の発生を防止するための屋根性能は、建築物の構造や用途に応じて政令で定める技術的基準に適合するものでなければなりません。

これって、「当然そうだろうな」と思える事ですよね。

 

このように、建築基準法の目的と照らし合わせるだけで答えられる問題もあります。

建築基準法の目的を忘れた人は、無料テキスト①に戻って、もう一度頭に入れておきましょう。

 

その他では、トイレは水洗便所以外にしてはダメとか、衛生上の事も色々と書いてある部分ですが、まずは重要な個所から覚えていくことを優先しましょう。

過去問で出ている重要ポイントをまとめておきますので、細かい事は「過去問学習の際に間違えたら条文を確認する」といった勉強法でOKです。

営業マン
これらは覚えておきましょう
  • 1000㎡を超える建築物は、防火壁又は防火床によつて有効に区画し、建物の区画割りは1000㎡以下にする。
  • 高さ20m超の建物は避雷針が必要。(安全上の支障がなければ例外も有)
  • 高さ31mを超える場合、非常用の昇降機(エレベーター)を付ける
  • 壁や床の防湿の措置は、衛生上必要な技術的基準に適合するものにする
  • 窓や開口部からの採光面積は、住宅では床面積に対して7分の1以上、その他の建築物では5分の1から10分の1までの割合以上とする事
  • 居室には、換気のための開口部を床面積の20分の1以上の面積で設ける必要がある

 

第26条

2019年度 改正ポイント

延べ面積が千平方メートルを超える建築物は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によつて有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ千平方メートル以内としなければならない。

但し、耐火建築物又は準耐火建築物、主要構造部分が不燃材料で造られたもの、政令で定める技術基準に適合するもの等は除く。(条文要約)

 

第30条 長屋又は共同住宅の各戸の界壁

レオパレス21の施工不良で「界壁」が話題になりましたので、個別に掲載しておきます。

第三十条 長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

 

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第39条 災害危険区域

地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。

2019年出題有

 

施工令での規定

建築基準法施行令(政府が定めた細かな政令規定)では、建築基準法よりも更に細かい部分まで規定していることから、建物の設計段階等において非常に重要な内容となるものが多いです。

ハウスメーカー等の請負業務に従事する人達にとっては、常識的知識である部分の為、試験でも度々出題されています。

 

近年、レオパレス21の施工不良問題以降、技術基準への基本的知識については一般の人達にも意識が高まっている部分です。

不動産のプロとして基本的な技術基準について「知りませんでした」等と言うのは恥ずかしい事ですから、今後も出題されていく可能性が高いと思います。

そこで、「これは特に知らないと恥ずかしい」という部分を抜粋してまとめておきます。

面積、高さ等の算定方法

建築基準法施行令 第2条

(一部抜粋と要約)

次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 敷地面積は、敷地の水平投影面積による。ただし、建築基準法第四十二条第二項、第三項又は第五項の規定によつて道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、算入しない。

二 建築面積は、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線で囲まれた部分の水平投影面積による。

ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物(天空率のこと)又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しないで良くなる

三 床面積は、建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

 

宅配ボックス等(要約)

宅配ボックスは、配達された物品の一時保管を目的に設置される設備であり、壁や床等に定着していないものや単なる物品の保管を目的に設置されたロッカーやトランクルーム等については、対象とはならない。

また、宅配ボックスの機能について、外部電源を利用せずダイヤル錠等により施錠するもの、外部電源を利用して施錠するものの区分は問わないほか、荷受について、住宅に設置される場合のように居住者の利用を想定しているもの、事務所に設置される場合のように勤務者の利用を想定しているもの、商業施設等に設置される場合のように不特定多数の利用を想定しているものの区分も問わない

 

なお、宅配ボックスには、配達された物品の一時保管機能に必要となる電子操作盤等の ほか、構造上一体的に設けられた郵便物を受け取るための設備や当該宅配ボックスに付加的に設けられるAED保管庫等の設備を含んでいても差し支えない

 

宅配ボックスを設ける部分の境界が壁その他これに類するものにより明確でない場合は、宅配ボックスの預け入れ又は取り出し面から前方に水平距離1メートルまでの部分とする。

 

本規定は、法第 52 条第1項に規定する延べ面積の定義に係るものであり、法第52条第6項等の規定に基づく容積率特例に先立って適用されることに留意すること。

なお、共同住宅の共用の廊下に設置する宅配ボックス等については、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないものと扱って差し支えないこととしている。

 

老人ホーム等の共用の廊下についても、共同住宅の共用の廊下と同様 に、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないこととなることから、老人ホーム等 の共用の廊下に設置する宅配ボックス等についても、共同住宅の共用の廊下に設置する宅 配ボックス等と同様に、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないものと扱って差し支えない。

 

居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質

建築基準法施行令 第20条の五

法第二十八条の二第三号の政令で定める物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。

クロルピリホスに関する技術的基準

建築基準法施行令 第20条の六

建築材料についてのクロルピリホスに関する法第二十八条の二第三号の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。

一 建築材料にクロルピリホスを添加しないこと。

二 クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料(添加したときから長期間経過していることその他の理由によりクロルピリホスを発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたものを除く。)を使用しないこと。

 

ホルムアルデヒドに関する技術的基準

建築基準法施行令 第20条の七

営業マン
読みやすいように、抜粋表記しています。

建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準は、次のとおりとする。

一 居室の壁、床及び天井(天井のない場合においては、屋根)並びにこれらの開口部に設ける戸その他の建具の室内に面する部分の仕上げには、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・一二ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料を使用しないこと。

二 居室の内装の仕上げに、夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇二ミリグラムを超え〇・一二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料又は夏季においてその表面積一平方メートルにつき毎時〇・〇〇五ミリグラムを超え〇・〇二ミリグラム以下の量のホルムアルデヒドを発散させるものとして国土交通大臣が定める建築材料を使用するときは、それぞれ、第二種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に次の表(一)の項に定める数値を乗じて得た面積又は第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用する内装の仕上げの部分の面積に同表(二)の項に定める数値を乗じて得た面積が、当該居室の床面積を超えないこと。

ポイント

細かい事を覚えるのではなく、このような規定があり、一定の面積に対して基準値が設定されていることを知っておけば良いと思います。

 

居室の天井の高さ

建築基準法施行令 第21条

居室の天井の高さは、2.1メートル以上でなければならない。

2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする

 

居室の床の高さ及び防湿方法

建築基準法施行令 第22条

最下階の居室の床が木造である場合における床の高さ及び防湿方法は、次の各号に定めるところによらなければならない。ただし、床下をコンクリート、たたきその他これらに類する材料で覆う場合及び当該最下階の居室の床の構造が、地面から発生する水蒸気によつて腐食しないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものである場合においては、この限りでない。

一 床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45センチメートル以上とすること。

二 外壁の床下部分には、壁の長さ五メートル以下ごとに、面積三百平方センチメートル以上の換気孔を設け、これにねずみの侵入を防ぐための設備をすること。

 

塀について

 

宅建の試験で出題されるかどうかは不明ですが、建築基準法の施工規則の中では、ブロック塀等についての規定があります。

地震の際、小学校のプールの壁が倒壊して小学生が亡くなる事故が発生し、世間でも大きく取り上げられました。

建築基準法が改正する前のブロック塀がたくさん存在することが明るみに出たことで、個人的には不動産業者もこのような目線で物件を見る事が必要だと考えます。

社会的要請という意味で、いつ出題されてもおかしくない部分なので、念のため掲載しておきます。

建築基準法施行令 第62条の八

第六十二条の八 (建築基準法施工令)

補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。

一 高さは、二・二メートル以下とすること。

二 壁の厚さは、十五センチメートル(高さ二メートル以下の塀にあっては、十センチメートル)以上とすること。

三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。

四 壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること。

五 長さ三・四メートル以下ごとに、径九ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの五分の一以上突出したものを設けること。

六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあっては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあってはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の四十倍以上基礎に定着させる場合にあっては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。

七 基礎の丈は、三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること。

このように、条文だと分かり難いので、簡単に整理しておきます。

要するにコンクリートブロック壁の高さは、2.2m以下にするのが基本です。

そして、高さが1.2mを超える場合には、3.4m以下の間隔で控壁を設けなければいけないという事です。

控壁(ひかえかべ)とは、壁が倒れないように支える補強壁の事です。

塀の厚さや、基礎についての規定までは出題しないと思いますので、この程度の理解で十分だと思います。

 

屋上広場等

建築基準法施行令 第126条

屋上広場又は二階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1メートル以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

2 建築物の五階以上の階を百貨店の売場の用途に供する場合においては、避難の用に供することができる屋上広場を設けなければならない

 

まとめ|勉強のコツ

ここまでの内容は、建物を建築する際の細かい基準についてでした。

全てを覚えようとするのではなく、イメージをすることが大事です。

ネットで探して、3階建の立面図を見ておくとイメージしやすいかもしれません。

また、建築基準法の目的と照らし合わせて考えるだけで得点できる問題もあります。

迷った時の指針として、法律の目的や趣旨を思い出す癖をつけておくと良いと思います。

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