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不動産営業 基礎知識

不動産の売却業務と注意点(営業初心者向け)

不動産の売却に携わる時、仲介営業側には、プロとして目を光らせておかなくてはならない注意点があります。

そこで、初心者の方に向けて、売却業務における注意点をまとめておきたいと思います。

実際のトラブル事例を交えながら、売却業務での基本的な注意点等について説明していきます。

 

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売却業務とは

不動産の売却依頼(売却業務)とは、住宅や遊休地等の販売を委託される業務です。

一般ユーザー、又は不動産買取り業者(建築会社等)への売却をサポートする仕事です。

 

誰を相手に売却をするにしても、まずは「買いたい」という相手を探すことから始まります。

そして、相手が見つかったら、売主と買主の間に入り、トラブルの無いように話を進めていくのが仕事です。

 

不動産にも色々なものがありますし、その物件によって抱えている問題点も異なるものですから、幅広い知識と経験が必要になります。

いくつか、代表的な注意点についてご紹介したいと思いますので、参考にしてください。

 

売買仲介営業が行う売却業務の流れ

この記事では、不動産業者が個人から査定依頼を受け、契約(売却)に至るまでの流れについて説明していきます。 要するに、不動産仲介営業側から見た、売却業務の流れです。 営業初心者の方は、予習用教材等として ...

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境界と測量

売却業務の際、まずに気にしていただきたいのは、測量図の有無です。

また、土地の境界が明確になっているかどうかにも着目してください。

実測売買か公簿売買かによって、測量の必要性は変わってきますので、どちらで契約するかを判断するためにも、最初に気にしておきたいところです。

 

土地売買では、大抵の場合、現況測量又は確定測量をかけて正確な現面積を算出します。

測量費用がかかりますので、見積もりを早めに取得し、売主に対して働きかけましょう。

測量を行うことで、境界が明確になり、トラブルも起きにくくなります。

 

測量を入れるタイミングが遅れると、買い手の希望する日時に決済できなくなる可能性も出てきます。

近隣との立ち合いや承諾等が必要なケースでは、かなり長い期間が必要になることもあります。

測量を早めに開始することは、売却業務の基本と考えましょう。

 

地中埋設物について

不動産売却の際には、解体を伴う案件もあります。

このような場合には、事前に解体業者へ交渉しておきたい事がありますので、覚えておきましょう。

 

建物を解体して更地になった後、将来に基礎が乗りそうな場所を少しだけ掘ってみてもらえないか交渉してみてください。

2~3カ所、軽く掘ってもらうだけで、地中から何か出て来ることがあるからです。

 

地中埋設物を早めに見つけることが出来れば、手間も撤去費用も少なくて済みます。

解体時に完全に調査することはできませんが、解体業者に気にしてもらうようにコントロールすることが重要です。

 

但し、深く掘り過ぎるのは良くありませんので、適度な深さでお願いしましょう。

30~40センチ位の深さで良いと思います。

 

地中埋設物のトラブル

土地を売却した後に、買主側から突然連絡が入り、埋設物の存在について知らされる事があります。

契約書に地中埋設物についての瑕疵担保責任が明記されている場合、売主は指定期間内に発見された埋設物撤去費用を負担する必要があります。

 

基礎工事に影響が出るような大きな埋設物があると、想像以上に撤去費用がかかります。

売主と現地に赴き、目視で埋設物を確認する作業も必要となります。

 

このように、誰にとっても都合の悪いアクシデントとなりますので、事前に見つけるための動きは大切です。

地中埋設物に多いのは、基礎を支える目的で埋められた巨石や、石灰層等です。

 

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瑕疵担保責任(契約不適合責任)

売却業務を取り扱う際には、建物について瑕疵担保責任を付けるのが通例です。

瑕疵担保責任とは、要するに期間限定の保証書のようなものです。

何かおかしな部分が発見された場合に備え、一定期間は売主に責任を発生させているわけです。

個人同士の取引の場合、買主が承諾すれば、売主の瑕疵担保責任免責にすることも可能です。

 

2020年4月からは、民法が改正され、瑕疵(かし)という概念が廃止されます。

以降、契約不適合責任という呼び名になり、契約書への記載事項等も今までとは少し変わってくる部分があります。

 

仲介営業マンは、双方のリスクを考えて、適正な取引となるように努めるべきです。

これまでと違う点としては、売主の善意無過失が前提にされなくなることです。

簡単に言えば、「隠れていない欠陥も対象になる」ということです。

 

契約した際、約束した通りの物件状況ではない部分があれば、その「不適合」な部分について売主に責任が生じます。

今後は、特約の記載や、物件を取得するまでの経緯等についても細心の注意を払って契約書を作成することが肝心です。

 

売主の無過失は関係ない!

売主の瑕疵担保責任は、何かの欠陥や不具合等が見つかった際に発生します。

そして、地中埋設物のように、その事実を知らなかったとしても責任を負います。

これは、建物から生じる事についても同じです。

 

経年劣化等で雨漏りがしてきたとしても、誰が悪いわけではありませんよね?

たとえ売主の使い方に過失が無くても、見つかれば、売主はこれに対して責任を負います。

瑕疵担保責任が設定されている場合の対応責任は、詳しく具体的に説明しておくと良いと思います。

 

瑕疵担保責任の設定期間中に見つかった瑕疵は、無過失責任で対応しなければならないリスクをきちんと売主に説明してください。

トラブルの大半は、「そんなの聞いていなかった」等という認識から起こると肝に銘じておきましょう。

 

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特記事項の勘違い

顧客に対して説明した事が誤った解釈で伝わっていても、それに気付くことは難しいでしょう。

例えば、重要事項説明書契約書に記載した特記事項について等です。

 

法律的な言い回しに慣れていないと、本来の意味とは違う解釈をされてしまうことがあります。

営業はきちんと説明したつもりでいても、顧客が誤った解釈をしていれば意味がありません。

 

宅建の試験等でも同じですが、法律的な言い回しには、言葉のまま読むだけでは理解が困難な場合があります。

トラブルが起きなければ、勘違いをしていたとしても問題は発生しません。

 

しかし、トラブルに発展した時には、仲介業者の説明責任が問われます。

営業マンが考えて記載した特記事項の表現に、誤解を生じるような過失があったと認められれば、賠償責任が生じるということです。

 

不動産業務の習得時間を解説(建売販売篇)

この記事では、不動産売買の仲介営業職を目指す人に向け、仕事内容別の習得時間について解説します。 各工程のポイントも交えながら、一般的な習得時間や難易度についても触れていきます。 転職時のリサーチとして ...

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契約時の注意点|まとめ

簡単に言えば、契約に向けて気を付けておくべき部分というのは、トラブルになりやすい部分の事です。

そして、トラブルになりやすい注意点とは、勘違いが起きやすい部分ということです。

つまり、『無いと思っていた事がある』とか、『あると思っていた事が無い』というような事が起きた時です。

このような部分の注意書きが契約書上での『特記事項』となりますので、文章表現等には注意して記載しましょう。

誰が読んでも同じ意味に解釈できる表現であることが大切ですね。

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