不動産営業 基礎知識

売買仲介営業が行う売却業務の流れ

この記事では、不動産業者が個人から査定依頼を受け、契約(売却)に至るまでの流れについて説明していきます。

要するに、不動産仲介営業側から見た、売却業務の流れです。

営業初心者の方は、予習用教材等として活用していただければと思います。

スポンサーリンク

売却依頼

売却案件は、主に、顧客の来店や、電話での査定依頼等で発生します。

当然ながら、まずは物件査定をしましょうということになりますが、この時点ではまだ正式な依頼を受けた状態ではありません。

そして、多くの場合、顧客は数社に査定を依頼します。

 

顧客は、査定額と営業マンとの相性等を勘案して依頼先を決めますので、ここでの勝負に勝てなければ案件はもらえません。

この場面で「何をアピールするか」は、各営業によって様々だと思います。

 

査定額で勝負する人もいるでしょうし、会社の信用力で案件を獲得するケースもあるからです。

この記事では、私の持論(主観)でポイントをご紹介していきますね。

 

査定額の出し方

今からご紹介する考え方には、賛否両論の部分もあると思いますが、あえてお伝えしておきたいと思います。

 

私は、顧客に対して、査定額を高めに提示することはしません。

査定額を高くすれば、依頼をしてくれる可能性は高まるかもしれませんが、確実に売れにくい物件になるからです。

 

かといって、そのままでは他社に依頼されてしまいますよね。

ですから、きちんと相場と査定額の詳細を説明します。

 

最終的に『売れる価格』というのは、どこの不動産屋に出しても変わらないことを理解してもらう事が重要です。

そして、多くの顧客に物件の存在を周知できなければ、顧客を見つけることはできません。

 

ですから、売却の依頼先は、査定額で選ぶのではなく、顧客数や広告力で決まるということを説明し、自分に任せてもらうようにお話します。

相場より高めの査定を出してくる業者に対し、不信感を抱いてもらうことが大切です。

 

関連記事「売買仲介営業のコツ|買い取り案件の流れ」

 

正直に伝える

すぐに売れるような話をして、高額査定をすれば、売却依頼をもらうのは簡単かもしれません。

しかし、それはあまりにも不誠実ですし、後で顧客を裏切ることになります。

そのような仕事で有名な大手不動産会社も存在しますが、そんな手口を撲滅するためにも頑張って説明しましょう。

 

営業マンは、正式な依頼をもらえなければ、物件調査等にかけた時間が無駄になります。

ですから、顧客が魅力を感じるような事を言いたくなるのでしょう。

しかし、後でトラブル等に発展すれば、もっと多くの時間を無駄にすることになります。

 

長い目線で考える程、顧客に対しては誠実に向き合うのが一番です。

売却案件は、査定額よりも「この人を担当にしたい」という理由での獲得がベストなのです。

 

実務作業

顧客から売却依頼の意思をもらえたら、媒介契約を締結します。

媒介契約の種類を説明し、依頼主の希望に沿った契約内容とします。

 

この際、契約時の瑕疵担保責任の期間設定(2020年4月以降は、契約不適合責任)についても打ち合わせをしておきます。

とても重要な部分なので、早い段階で理解を求めておきます。

 

次に、全ての物件調査等を完了させ、販売用の図面を作成します。

営業マンが作成することもありますが、営業事務の女性等が作成してくれる場合が多いです。

 

これを依頼主に確認し、契約時の条件等を再確認します。

顧客へは、『指値(値引き)の受け方』をアドバイスしておくと良いでしょう。

 

建物が古い場合等は、解体費用分を値引いてあげれば成約率が上がります。

また、販売価格を下げていくタイミングについても、予めスケジュールを決めておくと良いと思います。

 

スポンサーリンク

販売開始

不動産業界には、物件を登録して共有できるサイト(レインズ)があります。

レインズへの登録、広告の手配等を済ませれば、既に物件は市場に出回った状態になります。

これ以降、業者から物件確認の電話が入るようになりますので、社内に周知しておくようにします。

営業事務等に、販売図面と鍵の取り扱い等について連絡しておけばOKです。

 

中古物件の場合、居住中のまま販売することも多いです。

私は、他社営業による物件案内は、予約制にして対応していました。

土日等に同時に見てもらうことで、見学に来た顧客同士にライバル心が芽生える効果があるからです。

依頼主にとっても、負担が少なくて済むので非常に合理的です。

 

客付け

売却案件のメリットは、売主から必ず仲介手数料を貰える点です。

その反面、買主を他社の営業が見つけてきた場合には、買主側からは仲介手数料がもらえません。

中古物件については、それが当たり前の事ですし、むしろ仕事的にはそのほうが楽です。

買主側の仲介営業が重要事項説明書契約書等を作成してくれる場合もあるからです。

 

また、買主と売主の両方を相手にすると、バランスをとるのが難しい面もあります。

素人と素人の間に入って話を進めるのは、仕事量が2倍になるということでもあります。

仲介営業の本音としては、買主は他社が見つけてくれるのが良いということです。

 

関連記事「売買仲介営業のコツ|中古物件の販売方法と注意点」

 

契約と重要事項説明

法律上、売主に対する重要事項説明責任は課されていません。

しかし、契約時に買主に交付する重要事項説明書には、連名で売主の署名も要求される場合が多いです。

この連名の有無については、買主側の仲介営業に確認しておきましょう。

 

署名が必要な場合は、売主に事前に時間をもらい、簡単に説明するようにしておくと良いでしょう。

この時、契約時の持ち物全体の流れについても説明しておきます。

法律上やらなくて良い説明でも、トラブルを避けるために必要な動きだと思っています。

 

固定資産税が確定していない場合は、前年度の固定資産税額を基にして計算することを重要事項説明書に明記しておく必要があります。

その他、書類の不備等がなければ、買主側の仲介営業が契約作業を進めていきます。

売主側の仲介営業は、手付金の受領証等を準備しておくだけで、後は見守るだけの感じです。

 

まとめ

売却側の担当営業になった際、特に注意しておきたいのは、『ローン条項』と『瑕疵担保責任』についての記載です。

また、買主側に免責を求めたい事等があれば、特記事項にきちんと記載しておきましょう。

ご紹介した内容からも分かる通り、契約時の仕事内容としては、買主側よりも売却側の仲介営業のほうが楽です。

売却案件が来た時には、参考にして仕事を獲得してください。

トップページへ

-不動産営業, 基礎知識

Copyright© 不動産営業のつくり方 , 2020 All Rights Reserved.