営業マンによる手付金の持ち逃げ事例は、企業側があまり公にしたがりませんので、表に出にくい話ですよね。
不動産の取引では、手付金が数百万円になることも珍しくありませんので、これに手を出してしまう人がいます。
大手建設会社や有名な不動産業者でも、「手付金の持ち逃げ事件」は起きていて、意外に耳にする話でもあります。
取引する際の注意点を含め、ご紹介してみたいと思います。
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大手ハウスメーカー
一般的に、顧客が信頼できる営業というと、不動産仲介営業よりも、ハウスメーカーの住宅営業の方が信頼度が高そうですよね。
ハウスメーカーは大手企業が多いですし、企業ブランドとしての効果が大きいのでしょう。
私自身、とても意外だったのですが、仲介営業よりも、住宅営業が手付金を持ち逃げするケースの方が多いのだそうです。
有名な大手ハウスメーカーの支店長によれば、各メーカーで起きている事なのだそうです。
勿論、稀な事ではありますが、仲介業界よりも多い頻度で持ち逃げ事件が起きている事に驚きました。
ハウスメーカーの場合、手付金や中間金の額が大きい事が原因となっているようです。
参考記事
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仲介業の場合
建売住宅の購入では、あまり多くの手付金を入れる人がいません。
不動産仲介業の場合、売買時の手付金は100万円以内である事が多いからです。
賃貸案件の場合は、まとまった金額を預かるのはテナント関連の取引だけでしょう。
このような事情から、不動産仲介業では手付金を持ち逃げした営業の話をあまり聞いたことがありません。
売買の仲介営業の場合、手付金よりも仲介手数料のほうが大きいので、こちらを持ち逃げする営業はいるようです。
これは、会社側(雇い主)の被害なので少し意味合いが違いますが、犯罪行為という意味では同じ事です。
正直、「本当にそんな人がいるの!?」と驚いてしまう話ですが、実際にいるのです。
不動産業界には、お金に困って転職してくる人がいますので、このような事件が起きやすいのかもしれません。
そして、お金目当てで転職してくるに人は、顧客に対する誠実さが無い人が多いです。
つまり、犯罪が起こるのは、彼等のような人達がこの仕事に就いても、思ったように稼げないという証拠でもあります。
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持ち逃げの手口
ハウスメーカーの場合、顧客の自宅で契約が行われることがあります。
中間金については、営業が自宅に受け取りに行く約束をし、偽の領収証を渡してそのまま消えてしまうという手口があったそうです。
犯人は、自宅を引き払っているケースが多いらしいですが、結局は逮捕されます。
大手企業では、入社時に親族の連絡先等も提出させられるようになりましたし、捕まる可能性は非常に高くなっています。
虚偽の書類を出している等、悪質なケースが出て来ない事を祈ります。
仲介営業の場合は、決済時に顧客から受け取った仲介手数料を持ち帰らず、そのまま消えてしまいます。
被害者は仲介会社で、親族等の連絡先が無い場合は逮捕されない限り、回収できない損害となります。
そう考えると、入社時の会社側のチェック体制が重要だと感じますね。
持ち逃げの予防策
業界側からすれば、お金目当てで入ってくる人を見抜く目が必要です。
面接の段階で落としてしまうのが理想ですよね。
たとえ面接をくぐり抜けたとしても、一緒に働き始めれば個々の事情は掴めてきますので、そこでの対処も考えるべきだと感じます。
仲間内に「実は、借金があるんだ」等と打ち明ける者がいた場合には、用心することも大事だと思います。
このような人物は信用せず、管理職側で注意を怠らないようにすべきでしょう。
また、顧客側についても、営業を信用してお金を預けることはしない事です。
建売住宅の手付金は、売主に対して渡すお金ですから、基本的に営業を介す必要はありません。
ハウスメーカーの場合は、担当営業が代理して受け取れる立場にありますので、振り込み等で支払うようにすることで回避できます。
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まとめ
不動産営業による犯罪が起きると、買い手も売り手も被害者になってしまいます。
顧客は、営業を信じているからこそ購入するわけですが、お金の扱いについては任せずに自分で処理することが重要だと思います。
どんなに人の良さそうな営業でも、お金の支払いについてだけは、振込等の手段をとるようにするのが得策です。