不動産仲介営業マンの中には、ある程度の実績を積み上げて次のステップを目指す人も多いですよね。
また、不動産営業という仕事に疲れてしまい、関連業種や別業界への転職を考える場合もあると思います。
そんな時、考えるのは「次は何の仕事をしようか」という事だと思います。
私の経験から、不動産営業職からの転職に向いていると思う業種等についてご紹介したいと思います。
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ステップアップの場合
小~中規模の不動産会社で一定の経験と実績を得た人は、それを武器に転職することが可能になります。
正確には、「転職時に採用されやすくなる」ということです。
私も、そうやって会社を変えていき、転職する度に年収が上がっていきました。
即戦力となる中途採用者を求めている不動産会社は多いので、今より良い条件の会社へ移るチャンスが広がるわけです。
また、これまでの仲介営業としての知識を活かして、用地仕入や不動産コンサルタント系の職種へと移る人もいます。
このようなステップアップでの退職ができるのが理想ですが、「不動産から離れたい」と感じるケースもあるでしょう。
そんな時には、記事後半でご紹介する職種を検討してみると良いと思います。
転職ツールの選び方
転職の際には、同業種への転職か、不動産業界以外への転職かによって使用するツールを変えるのがコツです。
不動産業界に疲れたという人は、MIIDAS(ミイダス)がオススメです。
画期的なサービスで自分の転職価値を数値化し、同業種の年収データ等も入っています。
他業種に渡って仕事を探すような場合にはベストなツールだと思います。
不動産業界内でのステップアップを目指す場合、「宅建JOBエージェント」等がオススメです。
不動産業界の求人に特化している上、無料なのが魅力です。
宅建JOBエージェントでは、アドバイザーに社風の把握から給与交渉まで依頼できます。
東京・神奈川・埼玉に限定していますが、無料で利用できる有益ツールで、効率的に探せると思います。(本気で探す人にオススメです)
用地仕入系への転職
実は、用地仕入の仕事は、色々な種類に分類されています。
主要なのは、マンション用地と建売用地ですが、その他にも投資用物件の建築用地や、店舗・工場用地等もあります。
仕入れの仕事は、どれも専門性とコネが必要なので、未経験で参入するのは難しい業界です。
仲介営業としての経験があればできると思っている人がいますが、かなり別物だと思った方が良いです。
何故なら、ある土地を検討する際に、その土地にどんな建物が何棟建築できるかを判断できなければならないからです。
しかも、建物の金額を想定できる積算知識も必要です。
大手企業の仕入業務においては、「なんとなく」という事が許されません。
例えば、「この土地なら、たぶん2棟建つだろう」等という感覚では、とても土地を購入できませんよね?
CAD等を使って、敷地図から作成し、きちんと間取りまで設計できなければいけません。
勿論、その建物の高さや構造が建築基準に適合するかどうかについては、設計士の資格者に確認をとることになります。
本当の設計はできなくて良いのですが、間取りは正確に考案できなければいけません。
不動産仲介営業マンで、ここまでできる人は殆どいないはずです。
更に、上司や役員の許可を得るために、地域の相場や、各種図面なども添付した稟議書類を作成します。
数億円規模の土地購入をすることも珍しくないので、仕入担当だけの判断では買わせてもらえないのです。
しかも、不動産はスピード勝負ですから、素早く書類を揃えなければなりません。
このような器用さとスキルを兼ね合わせていなければ務まらない仕事ですので、かなり高度な専門職です。
ですから、不動産営業マンが仕入担当として採用されたとしても、かなりレアなケースです。
地主やデベロッパーとの繋がりが強い人でないと、経験無しに採用される可能性は低いでしょう。
コンサル系への転職
不動産コンサルティング営業の大半は、アパート建築の営業職と同義です。
仲介営業出身の人は、建築知識に乏しい傾向がありますので、最初は苦労するはずです。
地主や資産家向けに営業をかける仕事なので、税金や相続についての知識も必須になります。
付随するところでは、保険等の知識が必要になることもあります。
大地主の場合、資産の組み換えを行う人も多いので、売買に絡む仕事も発生します。
ここでは、仲介営業としての経験が活かせそうですが、案件の難易度は高い傾向があります。
普通の仲介営業の知識では、底地案件や境界未確定の案件等の対応が難しいかもしれません。
どの程度のレベルを求められるかは、コンサル業務の内容にもよりますが、どちらかといえば建築の知識が必要になる業種です。
建売の場合には、相手が「家を買いたい」と思って問い合わせてきますよね。
コンサルが相手にしている顧客の場合、ほとんどが何も需要がない相手に対して「土地活用しませんか?」という提案から始めるものです。
地主を紹介してもらう等の営業活動を行いますが、やっと会えた相手は、大抵は全く購入意欲がない人です。
欲しがっていない人をその気にさせるのですから、難易度がどれだけ高いか想像できるでしょう。
ですから、「節税になる」とか「相続に備えて」といった理由が必要になるのです。
「知ってますか?」という耳より情報で興味を持ってもらい、そこから不動産投資を提案する流れです。
この為、コンサルティング会社では、税理士事務所と組んでセミナーを開催することも多いです。
売買の不動産営業の方が、数倍楽だと思いませんか?
正直、厳しい転職先
不動産仲介営業(売買)の経験を活かして働ける不動産関連職はたくさんあります。
しかし、それらが全て好条件かといえば、そうでもありません。
ステップアップできる業種は難易度が高く、特殊なスキルも必要です。
また、難易度が低い関連職でも、前より大変だと感じるような業種が多いです。
個人的には、売買出身の人が、住宅営業・賃貸の仲介営業・管理会社・リフォーム営業へ転職するのは、かなり条件が悪くなったと感じると思います。
これらの仕事内容等が悪いのではなくて、売買の仲介営業の仕事が楽なので、大変に感じるということです。
ハッキリ言ってしまいますが、不動産仲介営業の仕事は他業種に比べると本当に楽なのです。
だから、他の業種へ移ると、割に合わないと感じる人が多いようです。
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異業種への転職
ここでは、不動産仲介営業のスキルが活かせる業種で、尚且つ転職がしやすい業種を上げてみます。
自分に向いていそうな業種や、興味がもてる仕事があれば検討してみると良いと思います。
解体業
解体業者は、不動産業者から解体案件を紹介してもらう事がほどんどです。
不動産仲介営業をしていた人は、かつての人脈を使って営業マンから案件をもらうこともできますよね。
ですから、解体業の案件を集める営業職になるのも一考だと思います。
私の知人でもこの進路へ進んだ人がいますが、不動産営業の頃よりも稼げているそうです。
ただ、職人さんとの付き合い方や、スケジュール管理能力等が求められますので、向き不向きはあると思います。
職人には気難しい人も多いので、色々大変な面があるとは思いますが、有望な転職先と言えるでしょう。
損害保険の営業職
不動産営業マンの多くは、火災保険に対する知識があると思います。
不動産営業マンからの紹介案件ももらいやすいでしょうから、損害保険関連の営業職にも転職の可能性があります。
保険知識は必須なので、かなり勉強が必要になるとは思いますが、ゼロから勉強するつもりで転職できる人は良いかもしれませんね。
保険の営業マンは、成功すると不動産営業以上の年収が実現できる業種でもあります。
以前、成功している保険営業マンに話を聞いたことがあるのですが、最高年収は2千万円を超えたことがあるそうです。
夢がある話ですよね。
配送業
トラックや軽自動車での配送業は、不動産営業でいえばフルコミのような労働形態です。
やった分だけ稼げるという世界に慣れている為、抵抗が無い人が多いかもしれません。
コンビニへのルート配送や、タクシー等も同様です。
元々、営業マンは道には詳しいので、わりと早く慣れることができるでしょう。
多くの場合、ガソリン代や社会保険等も自己負担になる委託業務なので、手取りは期待できません。
不動産営業と比べると、かなり年収が下がるはずです。
その代わり、人との関りはそれほど持たなくて良い孤独な仕事なので、人間関係や顧客サービスに疲れた人には良いのかもしれません。
拘束時間と給与のバランスに納得がいけば、選択肢の一つと言えるでしょう。
プログラマー
最近、サラリーマンとして働きながらプログラミングスクールに通う人が増えているそうです。
3カ月程度で、WEB系のプログラミング知識を学べる時代ですから、手軽にスキルアップできる対象として人気なのでしょう。
世の中でのIT人材需要が高まっているので、転職を考えて勉強する人が多いわけです。
私は、不動産営業が転職を考えるなら、プログラミングを学ぶのが最善の選択肢だと思います。
何故なら、現代のプログラミングスクールの大半はWEB講義で「いつでもどこでも学べる」からです。
不動産営業は、比較的に空き時間の多い業種なので、仕事中でもちょっと勉強する時間をつくるのは簡単です。
働きながら次の転職の準備が整えられ、おまけにスキルアップまでできるのです。
しかも、有望企業への就職率はかなり期待できる状況ですし、自分でフリーランスとして起業することもできます。
将来、不動産屋を経営しようと思っている人は、数カ月で学ぶだけで自社のHPをゼロから作成できるようになります。
HP制作に数十万円かけようと思っているなら、スクールで学んで自己スキルにしてしまった方が得ですよ。
ネットビジネス
ブロガーやアフィリエイターとして活動し、副収入を得ていくのもオススメです。
これも不動産営業と相性が良い媒体だと思います。
記事のネタを考える時間もたくさんありますし、営業職をしていると記事にできる知識も多いはずです。
私もこれを活かして当サイトを運営しています。
私は無料で提供してしまっていますが、教材の販売やノウハウを売る人も多く、大きな収益を挙げているケースもあるようです。
プログラミングの仕事と合わせて収益が出せれば、自分の力だけで生きていくという道もあるでしょう。
WEB知識の価値は、今後も益々高まっていくと思います。
VR技術者等もこれからが熱いと言われていますので、今から勉強してみるのも一考ですね。
まとめ
将来の独立志向が高い人は、色々な不動産業を経験しておくと良いと思います。
給料は下がるかもしれませんが、賃貸や管理の知識等を手にしておくのも良いと思いますし、働きながら次のステップへの勉強をするのも良いでしょう。
定年までの働き方については、早めに計画を立てておき、着実に夢に向かっていきましょう。
参考記事
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