不動産営業マンは、少し経験を積んでくると、必勝パターンのようなものが身に付いていきます。
自分の得意な契約パターンです。
良い事ではありますが、その裏には営業マンが陥りやすい罠が存在します。
この記事では、その心理的な罠の特徴についてご紹介していきます。
契約には難易度がある?
私は、不動産営業へ転職してから約1年が経過した頃、支店長にこんなことを言われました。
ようやく、自分だけで契約がとれるようになってきた頃の事でした。
私は、意味が理解できず、「いい契約」の意味を質問しました。
支店長によれば、契約には難易度があると言うのです。
つまり、誰がやっても契約になっていたケースと、自分にしか契約できないケースです。
支店長は、これを「普通の契約」と、「いい契約」に分けて表現していたのです。
トップ営業になれない?
支店長は、更にこんな言葉もくれました。
「いい契約」を経験していない私には、しっくり来ませんでしたが、本当にその通りでした。
この支店長は、営業時代はかなり成績が優秀だった人です。
アドバイスや指摘の全てが的確でしたが、当時の私にはピンと来ていない事も多かったように思います。
不動産営業が経験によって手に入れていく必勝パターンの多くは、「普通の契約」です。
普通の契約を逃さないようにするのが、営業としての第一段階と言っても良いかもしれません。
最初は、このような普通の契約を獲得することだけでも難しく感じます。
苦労してとった事に変わりはないので、「普通の契約で何が悪いんだ」という気持ちも芽生えがちです。
支店長からの予言
支店長は、私に対して警告とも思えるような『予言』をしました。
それは、こんな会話でした。
必勝パターンについては、以下の記事で詳しく説明しています。
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ヒントはドラマ
支店長の言っていた通り、在籍している営業マン達にはある特徴がありました。
それは、『必勝パターンだけに頼っている営業マンは成績が平凡』という事です。
例えば、低価格帯の顧客が得意な営業マンは、一定の価格以上の顧客になると必ず他決しているのです。
逆に、高額帯が得意な営業は、一人の顧客に時間をとられすぎて、普通の契約を逃していたりしていました。
更に、支店長の言っていた『いい契約』には、共通点もありました。
これは、『いい契約』ができるようになってから気付いた事ですが、自分しか契約できなかったと思える契約には、必ずドラマがあるのです。
表現力の無い私には、なんと説明して良いかわかりませんが、他の契約とは異なるドラマチックな局面があります。
映画でも、すごく感動させられる作品と、普通の作品がありますよね。
そんな違いに似ています。
『いつもとは違う頑張り』があり、それが良い方向に働いた時に起こるようです。
ステップアップ
不動産営業がステップアップするには、『いい契約』が必要です。
もう一つ上の実力が付いた証拠なのです。
ですから、私が初めて『いい契約』をした時には、皆が喜んでくれました。
最後に、必勝パターンだけに頼らず、このような契約をとるのに必要な事を1つお伝えしておきたいと思います。
それは、顧客に対して『一歩踏み込んだ思いやり』を持つ事です。
詳しくは、具体的な事例などを参考に、いつか書きたいと思っています。
まとめ
営業初心者の時は、まずは普通の契約をとることが目標になります。
そして、次に必勝パターンを見つけ、取りこぼしを少なくしていきます。
更に、必勝パターンの数を増やして安定させれば、ひとまず一人前です。
そこで、「もう自分は一人前だ」等と、満足して成長を止めてしまうのが、心理的な「罠」の正体です。
必勝パターンを習得することによって生まれる、心理的な『自信の罠』に気を付けて、トップ営業を目指していきましょう。