不動産会社が求人広告を出す際、各企業によって色々な事情を抱えていますが、求人にはそんな本音は掲載されません。
実は、人員状況等によって、未経験者採用への積極性も微妙に異なります。
この記事では、そんな企業側の内部事情や本音について説明したいと思います。
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未経験者を歓迎する理由
そもそも、何故、不動産会社が未経験者を採用したいと考えるのかを説明しておきますね。
この理由は、以下の3つに分類できます。
- 応募して来る経験者が少ない為、範囲を広げている
- 平均年齢を下げ、将来の人材形成を考えている
- 未経験の方が育てやすいと考えている
大体は、この3種類のどれかです。
近年では、人手不足の傾向が強まっていますから、大手でも人材獲得に苦労する時代です。
ですから、どの会社でも未経験者歓迎と発信しておくのが常習化してきていますが、実際には即戦力となる経験者が欲しいのが実情です。
会社の規模に注意
小さな不動産会社では、募集をかけてもあまり応募してくる人がいません。
この為、大手が振るい落とすような人材にも範囲を広げて募集するしかありません。
つまり、『営業未経験で、尚且つ少し年齢が高い』といった人達です。
小規模の不動産会社では、若い経験者が最も欲しいターゲット層です。
本音を言えば、ある程度仕事を知っている若い即戦力が欲しいのです。
ですから、30~35歳以下の営業経験者が応募してくれば、そちらを優先して採用する可能性が高いという事です。
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大手企業の事情
大手企業には、年齢の若い未経験者を積極採用できる余裕があります。
即戦力にならない人材でも、それを育て、抱えておける資金的余裕があるからです。
ですから、『未経験者歓迎!』という言葉を、そのまま信じて良い事が多いです。
だからといって、無差別に採用するわけではありませんが、小さな会社よりは期待して良いと思います。
詳しくは、「不動産会社の面接官はココを見ている!」を読んでみてください。
中途採用は、管理職での募集を除き、30歳位までが限界だと考えておいた方が良いと思います。
大手企業へのステップアップ転職は、なるべく30歳前後までに終わらせましょう。
未経験者を好む企業
私見ではありますが、中規模の会社には、中途採用者が集まりやすい傾向があります。
大手が肌に合わなかった人や、小規模からステップアップを狙う人等が中規模会社を心地よく感じるからだと思います。
この為、不動産業界を転々としている人が辿り着く終着駅のような会社になることも多いです。
会社側としては、中途採用者で失敗する経験も多くなりますよね。
数年後には、平均年齢が高くなってしまうという悩みも抱えています。
経営者からすれば、やる気のある若い世代も欲しいと感じているので、未経験者しか採用しないという決断をする会社もあります。
この点については、「不動産営業は未経験でも本当にできる?」で詳しく書いています。
入社後の歓迎は微妙?
企業側の採用事情は、ここまで説明した通りです。
即戦力が欲しい会社は、若くて経験のある人を欲しているのが本音で、未経験者を採用するのは大きな会社に多いわけです。
どちらにしても、未経験者を採用する可能性はあり、実際に採用することもあるでしょう。
では、入社後の歓迎ぶりはどうなのでしょうか。
つまり、職場での未経験者への歓迎度合についてです。
正直なところ、歓迎しているのは会社側で、現場ではそうでもないというのが実情だと思います。
どの会社でも、『歓迎』とは思えない素気なさを感じるのではないでしょうか。
これは、変な意味では無く、仕事柄というか、業界の慣習のようなものです。
ですから、あまり深刻に考える必要はありませんし、気にしなくてOKです。
一緒に働く人達からすると、経験者の方が教えることが少なくて楽なのです。
未経験者に懐かれると面倒なので、関わろうとしない人もいます。
時間をとられるだけなので、歓迎というよりは、「できるだけ関わりたくない」と考える営業マンが多いと思ってください。
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教育制度の実情は?
不動産営業職は、半分自営業のような感覚を持って働いているので、「人を育て、教える」という作業は後回しにされる傾向があります。
新人を育てる事よりも、目の前の契約が優先事項になりがちな業界だからです。
この為、大手不動産会社でさえも教育制度と言える程の体系にはなっていない事もあります。(もちろん、しっかり教育する制度がある会社も存在します)
支店長や課長クラスに良い指導者がいれば良いのですが、営業職を兼ねたマネージャー等に教えてもらう場合は、後回しにされてしまう傾向があります。
上司自身も成績を出さなければいけない立場なので、自分の仕事が優先になるのです。
この結果、「見て覚えろ」というスタイルになってしまうケースが多々あります。
直属の上司が常に近くにいるわけでもないので、基本的には自力で覚えるつもりでいると良いと思います。
誰もがそうやって覚えている業界ですし、意外になんとかなります。
「誰かにできたのなら自分にもできる」と思えるくらいの気持ちがないと、この仕事を続けるのは厳しいかもしれません。
教えてくれる上司がいない時は、このサイトを一人前になるためのツールとして役立ててください。
コメント欄に書かれた内容については、できるだけお答えします。
まとめ
不動産会社の事業規模による採用事情を知ることで、本当に未経験者を歓迎している会社が見えてくると思います。
もし、あなたが未経験者として入社したら、以下のような意識を持つことをお勧めします。
- 同じことを何度も聞かない
- 自分で調べていく積極性を持つ
- 先輩営業の邪魔にならないタイミングで聞く
このような姿勢で働くことができれば、現場でも『未経験者歓迎』ということになると思います。
参考になれば、幸いです。