不動産営業職への転職を考える人にとって、初めに浮かぶのは、「自分に向いているのだろうか」という疑問ではないでしょうか。
そして、その次に「どんな業界なのだろう」といった現場環境への不安や疑問へと移っていくことと思います。
ですから、『不動産営業に向いている人』というテーマを語るには、辛い部分について書かなければいけませんよね。
この記事では、私の実体験から、どのような人がこの業界に向いているのかを説明していきます。
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3つの判断基準
私は、不動産営業として社内で最優秀賞を貰った経験があります。
そんな私が考える不動産営業の適正には、大変シンプルな3つの判断基準があります。
それは、以下の3つの要素です。
- 顧客のために頑張れる気持ちがある人
- 地道に継続・努力ができる人
- 正直で素直な人
この中で、1つでも該当すると感じた要素があれば、適正はあると思って差し支えありません。
3つ全てが該当する人は、かなり期待できると思って良いくらいです。
ですから、この3つの基準のうち、1つも該当する事項が無い人は止めておいたほうが良いという事になります。
これらは、どんな仕事でも当てはまることかもしれませんが、守り続けることによって必ず結果が出てくる本質的な要素です。
つまり、この3つの適正は、偽物の営業マンではなく本物になれる人ということなのです。
この3つの要素を持つ人物像を想像してみてください。
貴方が顧客だったら、そんな人から買いたいと思いませんか?
営業職は、「コミュニケーション能力が高い人」とか、「話が上手い人」が向いているという人がいますが、これらはそれほど重要ではありません。
むしろ、誠実な人物であることの方が重要だと思います。
もう少しレベルの高い部分での適性を挙げるとすれば、「思考力が高い人」という事になると思います。
これは思考力のスピードという意味ではなく、1つの疑問に対して最後まで答えを探究する能力です。
つまり、顧客について自分なりの分析・解決策を継続して考案する能力があれば、比較的早い段階で結果が出せるはずです。
メンタルの強さは必要?
営業職は、「メンタルが強い人が向いている」という風潮がありますよね。
確かに、強ければそれに越したことは無いのでしょうが、そんな単純なことで向いている事にはなりません。
売れている秘訣を聞かれて「メンタルが強いからです」と答えている営業マンも見たことがありません。
そもそも、私はこの世に「メンタルの強い人」なんていないと思うのです。
プレッシャーをかけられて、「辛いなー」とか、「嫌だなー」等と思わない人はいませんよね?
皆、同じように辛さを感じますし、辞めたいと思うことだってあるのです。
そんな気持ちを乗り越えて頑張れる人を「メンタルが強い」と言うのなら、世の中の殆どのサラリーマンはメンタルが強いです。
メンタルの強さは、経験と努力の積み重ねで自然と養われていくものだと思いますので、最初から必要なものだとは思わなくて良いわけです。
それよりも大事なのは、不動産という仕事を通じて「人の役に立ちたい」とか、「この仕事が好きだ」という気持ちの方です。
それと、ストレスのコントロール方法を知ることがとても大切です。
トップ営業になるような人達は、このストレスコントロールが非常に上手いです。
この能力は、「向き不向き」ではなく、「知っているか知らないか」の違いです。
ですから、勉強すれば誰でも身に付ける事が可能です。
結論としては、メンタルは強くなくても不動産営業として成功できるという事です。
資格や知識が無いとできない仕事?
人格的な適正に問題がなくても、次は知識や資格面での不安が出てきますよね。
不動産の仕事に必要な資格と言えば、宅地建物取引士が代表格ですが、不動産営業マンで宅建を持っていない人は結構います。
以前に比べれば保有率は高まっていますが、今でも持っていない人はいます。
特に、住宅営業(ハウスメーカー)は、不動産の売買や賃貸を仲介する仕事ではありませんので、宅建の保有率が下がります。
売買や賃貸の仲介営業の場合、宅建はあったほうが良いのですが、資格が無くても営業の仕事はできます。
ただ、無資格者を雇う会社が減っている事情はあると思います。
実際の業務の中で、宅建の資格を使っていると実感するのは、契約前に行う重要事項説明の時だけです。
知識の面では常に宅建の知識を使っているという側面もありますが、宅建を保持していなければできない仕事は重要事項説明だけです。
ですから、宅建の資格を持たない人でも、実務に必要な知識は自然とついていくのが実際のところです。
しかし、長くやっていくつもりなら、やはり宅建士の資格は必要ですので、早めに取得しましょう。
毎月の資格手当もモチベーションになるでしょうし、重要事項説明を自分でできないのは不利だからです。
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不動産事業に従事する者には、試験に有利な免除制度(5問免除)も用意されていますので、働きながら取得する人も多いです。
補足として、宅建の5問免除は魅力的ではありますが、採用側の目線から考えてみると、マイナスポイントにもなります。
企業側からすれば、資格をとるための踏み台にされる可能性があるからです。
5問免除が欲しい為に、とりあえず採用されやすい会社へ就職する人もいるかもしれませんよね?
採用側としては、仕事を覚えた途端、条件の良い会社へ移られてしまう可能性を考えざるを得ません。
新米営業に給料を払って仕事を教えたのに、まんまと他社に持っていかれてしまうなんて、人的投資としては最悪の結果です。
これに対し、業界未経験なのに資格を持っている人は、少なくとも5問免除が目当てでないことは確かです。
それに、試験勉強等が業務の支障になる心配もありません。
5問免除を使わずに取得する姿勢や努力が評価されやすい為、採用時にも有利になるはずです。
5問分の価値をどう考えるかは、あなた次第ですね。
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営業マンの辛さ
冒頭で述べたように、この業界の辛い部分についても検討しておく必要があります。
でも、仕事における「辛い事」というのは、人によって様々ですよね。
きつい言葉で怒られるのが辛いと感じる人もいれば、契約が取れなくなった時に辛いと感じる人もいます。
忙しさや仕事内容に辛さを感じる人もいるかもしれません。
しかし、これも「営業」という仕事のくくりで考えれば常に付いてまわる話で、誰もがなんとかやっているわけです。
世の中には膨大な数の営業マンがいますが、あなただけがその辛さに耐えられないなんてことがあるでしょうか。
そうだとしたら、問題があるのは自分の思考の方だと思いませんか?
結論としては、ストレスや辛さを克服するための思考力が必要になるということです。
営業職の辛さは、入社する会社によって大きく異なりますから、入ってみなければわかりません。
私の場合、プラス思考に変えることで乗り越えられる程度の事ばかりでした。
目の前に起きた事をどう捉えるかは、自分の考え方次第なのです。
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長続きする思考
例えば、上司にひどく怒られることがあったとします。
その上司の言い方の悪さや、人柄等にマイナス意識が集中する人はこう考えます。
「もっと普通に言ってくれればいいのに」
「嫌な奴!」
「ほんとウザイ上司」
といった思考です。
これでは、会社を辞めたくなるのは時間の問題ですよね?
ところが、プラス思考で素直な人はこんな風に考えるのです。
「確かにそうゆう部分はあるし、次は頑張ろう」
「自分を教える為に、言いたくもない注意をしてくれている」
心の中で考えることが異なる両者の将来は、だいぶ違うものになっていくと思いませんか?
不満や反抗心ばかり持つ人は、「もう耐えられない」という結末になり易いです。
どの仕事でも、このような善良な思考力を持つことは、結果的に自分のためになっていきます。
メンタル面に心配を抱えている人は、このような思考力をつけていけば良いと思います。
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イメージモデル
単純に「向いている人」の話をすると、漠然としたイメージになりますよね。
それに、「誰でもできる」というレベルに思えてしまいます。
冒頭に挙げたような大前提だけでは、具体的なタイプ等がイメージできないでしょう。
そこで、私の独断と偏見にはなりますが、もう少し具体的に「向いている人」をイメージしてみたいと思います。
まず、私の感覚では、「不動産営業っぽくない人」がこの仕事に向いていると思います。
完全に外見の話ですが、いかにも営業マンという雰囲気の顔立ちよりは、柔和な感じが良いと思います。
その理由は、お客様が安心する雰囲気とか、油断するような顔の方が警戒されないと思うからです。
信じてもらえるまでのスピードが早い方が、スムーズに話が進むと思います。
次に、性格的に向いている人を具体的に言うと、「気持ちの切り替えが上手い人」です。
いつまでもクヨクヨするようなタイプよりは、「よし次!」と潔く切り替えられる方が有利だと思います。
もう少し付け加えて良いなら、行動力のある人ですね。
思い付いたアイデアとか、顧客へのアプローチ等をすぐに実行に移していく人です。
要するに「とりあえずやってみよう!」という思考傾向のある人が良いと思います。
こんなタイプの人は、結果が出やすいと感じます。
冒頭でご紹介した3つの要素に加えて考えてみてください。
但し、トップ営業になるための要素は、更にいくつか要素を加える必要があります。
トップ営業に向く人
不動産営業に「向いている人」について知りたい人は、この仕事に興味を持ち、「自分にもできるのか」を知りたいと思っているからだと思います。
私自身、この業界に入る時には同じような不安を感じましたし、インターネットで記事を探したこともあります。
振り返ってみて思うのは、「この仕事を出来ない人は少ない」という事です。
やっている事は非常にシンプルなので、要するに誰でもできるのです。
ですから、向いているかどうかはあまり心配いりません。
しかし、貴方が検索している「向いている」の意味が、トップ営業になるのに向いているという意味である場合は、もう少し細かい条件が必要です。
別記事でも書いていますが、トップになる人達は、必ず『人と違う部分』を持っているからです。
人と違う部分があるのですから、誰にでもできるという枠から外れることになるのです。
つまり、トップ営業になるのに向いている人は、『人と差が出る部分を見つけ、それを実現するのが上手い人』という事です。
いくつか具体的なコツを書いた記事がありますので、興味があればHOMEから探してみてください。
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あなたはトップ営業と聞いて、どんな人を想像しますか? 私は仕事柄、たくさんのトップ営業に会ってきました。 そして、私自身もトップ営業になった経験があります。 この記事では、そのような人達 ...
まとめ
私は、不動産営業職は他の営業職に比べて顧客へのストレスが少ないほうだと思います。
また、法人相手の営業職等に比べれば、顧客からのプレッシャーが少ないと感じます。
実力がつけば、更に余計なストレスは無くなっていきますし、たとえ多少嫌なことがあっても必ずコントロールできます。
営業ノウハウの記事では、このような思考力のつけ方もお伝えしていますので、興味のある方はまた覗いてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。